さて、ここで問題。「犬は計算できるか?」答えは、「イエス!! !」である。天才的頭脳を持つ我が家の愛犬ボジョは、「 ボジョの崖」と私が命名した場所に立っていた。 ボブキャットで深く掘られた「ボジョのグランドキャニオン」 最後部にあたる地面だが、 夫が苦労して積み上げたセメントブロックの壁が、丁度「 ボジョの崖」と同じくらいの高さになっている。ここで私は、「 計算している犬」を見たのだ!!
「ほんの少し足を伸ばしたら、あの「万里の長城」( 夫が作ったセメントブロック壁の事) のトップに届くかもしれない。そしたら隣に忍び込んで、 猫を追い回せるぞ!」
あの時のボジョの真剣な目。「抜け道、見つけたり!」と、 興奮に沸き立つ顔。あれは確実に、距離、高さ、 彼自身の跳躍力と年齢を計算していた。自分の足下を見つめ、 地面と壁との距離を測定する。
「現在14歳、もう若人ではない。最近、 左腰にリウマチを患っている。失敗して落ちた場合、 あの壁はかなり高い。落ちたら随分、痛そうだ。しかし、しかし。 隣の猫は許せない。どうしても退治せねばならぬ。 人間はこの辺を理解しないから、どうも困る。よし、命を懸けて、 いざ決行だ!」
ああ、母の私には、本当にボジョの声が聞こえてきた。 この悪ガキ犬め!そのような無鉄砲な行為を、 母が許すと思うなかれ!私はあわてて、「万里の長城」 にさらにブロックを積み、「ボジョの崖」 には万里の長城へのアクセスを塞ぐため、 ガーデンチェアーを置いた。それでもまだ心配で、 ボジョの背の高さと壁の高さを、何度も見比べた。「 人間は犬よりも賢いか?」人に(そして犬に)よりけりである。
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