2012年3月28日水曜日

シナボン



 シナボンを初体験した。しっとり巨大なシナモンロール、シナボン。ナイフで切ると、白いアイシングがじわっととろける程、たっぷり。茶色い部分があるのは、シナモンのせいだ。普段食べるシナモンロールの数倍しっとりして、とても甘い。この巨大なシナモンロール、1個何カロリーあるのだろう。

 夫と一緒に車に乗っている時、偶然このシナボンの店を見つけた。「そういえば、誰かのブログに書かれているのを、最近読んだな」と思い、「シナボンのシナモンロールに挑戦してみたい」と言ったら、店に寄ってくれた。「シナボン」とは、アメリカのシアトルから発したシナモンロールが目玉商品のベーカリーチェーン。以前は日本にも店舗があったそうだが、今では撤退したようである。



 上の写真は、実は今回取ったものではなく、数年前、姉の子供達と一緒に行った「ワールド・オブ・ファン」という遊園地内の店舗。店に入った時、カメラを持参していなかったので、写真を取っておらず、過去のストックから拝借。

 アメリカ人の夫も、シナボン初体験だった。私達のすぐ前に、クラッシックロールが4つ入った水色の箱があり、夫はそれを買うと言う。こんな巨大な物を4つも買うのかと思ったが、夫はあくまでも4つ買うという。レジの横には、この基本形クラッシックロールに、キャラメルピーカンが付いたゴージャス版があった。私はそちらの方に興味があったが、クラッシックロール4個を抱えて、家路に向かった。

 さて、箱を開けてみると、本当に大きい。夫もビックリしていた。「こんな大きなシナモンロールを食べたら、大変なことになるな」とやっと気付いたのか、この後会社の同僚の家に行く用事があったので、1個持って行ってもらった。サンキュー、彼の同僚はまだ若いから、この砂糖攻めハイカロリーも、全て消費できるだろう。

シナボン、アメリカ人が大好きなのは、良くわかる。生地はとてもしっとりしており、シナモンたっぷり、アイシングたっぷり。日本人の私は、4分の1くらいを消費するのがやっとだ。

ドライブインレストラン:Sonic



 「パイオニア・ウーマン」という最近のお気に入り料理番組を見ていた時だった。ここに登場する料理人は、オクラホマ州の大酪農場を営むカウボーイの妻で、アメリカの田舎料理を得意とする。彼女の料理本はベストセラーになり、こうして「Food Network」で料理番組まで持つようになったのだが、彼女の人気の秘密は、そのおしゃれなスタイルだと思う。自ら「パイオニア・ウーマン」と名乗りながらも、周りに何もない農場での生活をこんなにおしゃれに見せられるのは、彼女が「田舎出身者では無い」からだ。オクラホマ州出身だが、子供時代は、街に住んでいた。ロサンゼルスに住んでいた時代もある。そんな都会の生活を知っている彼女が、郷里オクラホマの農場でカウボーイと出会い、ハイヒールを脱ぎ捨て、田舎の農場に嫁入りする。そんな彼女が繰り広げるオクラホマの農場には、洗練された都会のセンスが見えるのだ。

 その料理番組で「パイオニア・ウーマン」は、「ブレックファースト・ブリート」を作り、仕事をしているカウボーイ達に届ける。これを毎日しているのかは定かでは無いが、その「ブレックファースト・ブリート」は、とてもおいしそうに見えた。ブレックファースト・ソーセージ(これは、どちらかと言えば、小さなハンバーガーのようなもので、日本のソーセージとは、かなり違う)と炒り卵を混ぜ、それをトルティーヤで巻く。これが基本形だが、各人好みが違うので、チーズ入り、ハラぺーニョ入り、チーズ+ハラぺーニョ入りと、バリエーションをつけていた。


 前置きがかなり長くなったが、これを見ていて、急遽「ブレックファースト・ブリート」が食べたくなったのだ。家に卵とトルティーヤはあるものの、ソーセージが無い。そこでふと、朝食メニューを一日中出している「ソニック」に行けば、簡単にブレックファースト・ブリートが食べられるのではないかと思った。日曜日で仕事が休みだった夫に告げると、「じゃあ、行こう!」と、すぐに二つ返事。午後からは予定があったので、大慌てで車に飛び乗り、自宅近くのドライブインレストラン「ソニック」に向かった。




 日本で「ドライブインレストラン」と言うと、高速道路のパーキングアリアにあるレストランという印象を受けるが、アメリカのドライブインレストランは、かなり違う。ここでは、駐車場に車を乗り入れ、その横にあるスピーカーから店内のスタッフに注文を入れる。ソニックでは、駐車場にある機械でクレジットカード清算もできる仕組み。もちろん注文した食事を届けてくるスタッフに、現金で支払うこともできる。こうして注文から支払い、食事まで、車を降りること無く車中で全て済ませてしまうのが、ドライブインレストランだ。ソニックには「ドライブスルー」もあり、時間が無かった私達は、こちらを利用した。こうして、車中で食事するのが、随分アメリカンなのである。



 店の横には、テーブルが設置してあり、外でピクニックを楽しんでいる家族がいた。




 もちろん私達が注文したのは、「ブレックファースト・ブリート」だ。「パイオニア・ウーマン」のように、ソーセージと卵、そしてチーズが入っていた。欲求が満たされ、満足だった。基本的に、ドライブインレストランのメニューは、典型的なアメリカン料理が多い。ソニックでは、ハンバーガー、朝食メニュー(卵入りブリートやサンドイッチ)の他に、ドリンク、シェーク類が随分充実している。

 アメリカでも、多分都会にはドライブインレストランは無いだろう。しかし中西部には健在である。アメリカが感じられるドライブインレストラン、機会があれば、ぜひ体験していただきたい。

2012年3月27日火曜日

寿司食べ放題!Legend of Asia



 カンザスシティー近郊の町、Blue Springs市に、「Legend of Asia」という食べ放題レストランがある。ここのオーナーは多分中国人で、ウェイターの殆どは中国人、壁には中国語で従業員への指示が貼ってある。中華ももちろんあるのだが、ここの目玉はなんと言っても、寿司!!(少なくとも、私には。)このレストランに行く度、中華はそっちのけで、寿司を全種類試さずにはいられない。アメリカ中西部に住む日本人の私にとって、寿司が食べれる状況で中華を食べるなど、考えられない!とまあ、熱く語り出したが、このレストラン、我が家からは少々距離があるので、毎日通うわけにはいかない。そこで、毎年レストランに行くことにしている「バレンタインデー」の二日後(バレンタインデー当日は、夫が仕事だった為)、このLegend of Asiaに行って来た。

 毎年あまりバレンタインデーらしくないのだが、今年は更に庶民的なレストラン。でも良い、寿司が食べられるのなら。このレストランは、週日のランチが一番安く、ドリンク込みで確か8ドルか9ドルくらい。ディナーと週末は割高になる。今回、週日の3時ごろに到着したのだが、最初取った寿司は、前回ほど感激しなかった。巻き寿司は、良くアメリカの寿司レストランにあるもので、海苔が中に巻かれ、ソースがかけてある。多分、出してから時間が少々経っているのだろう、なんだか乾燥していて、美味しくなかった。

 しかし、少々時間が経ってから第二ラウンドに出発した時は、いつの間にかディナーメニューになっていたのか、サーモンやマグロなどの「握り」が多くなっていて、最初のものより新鮮だった。こちらはかなり美味しかった。次回はアメリカンな巻き寿司で満腹になる前に、握りをいっぱい食べるぞ~と決意。

 

 店内は上の写真のように、かなり広い。客層は、アメリカ人が殆どである。私がアメリカに来た当時、(そういえば、今年は私が渡米して二十周年!)、留学先のネブラスカ州オマハには、日本食レストランが一軒しかなかった。寿司を食べた事のあるアメリカ人にお目にかかることはまず無く、「ローフィッシュ(刺身)」と言えば、「キャー」と逃げられるような時代だった。それが二十年後の今日、寿司を知らないアメリカ人は、まずい無いだろう。随分時が経っているのだ、としみじみ思う。

 ランチの方が値段が安いので、その方がお得と思っていたが、これほどまでにメニューが違うのなら、少々高めでもディナーか週末に来た方が良さそうだと思った今回。また来る事は、確実である。

2012年3月19日月曜日

RVショー



 もうかなり前のことになるのだが、1月にカンザスシティーで行なわれたRVショーに行ってきた。この日は張り切って半日休暇を取り、前日にはカメラの電池も充電し、準備万端のつもりが、私の車にカメラを置き忘れ、夫の車で会場に行った私達の手元には、カメラが無かった。なので、夫の携帯で取った写真のみである。ブログ更新がこんなに遅れたのも、夫がなかなか写真を送ってくれなくて、今日になってしまった。とまあ、こんな理由で、遅ればせながら、3月になっての更新である。

 カンザスシティーは、数年前から「レストランウィーク」というのを始め、登録したレストランではランチが15ドル、ディナーが30ドルの特別メニューが食べられる。その日は丁度レストランウィークの真っ只中で、私達もその中のレストランに行って来た。しかし残念ながら写真が残っていない。とまあ、おしゃれなレストランでランチを取った後、RVショーが行なわれたバートルホールに向かう。路上のメーター駐車場に車を留め、いざ出陣である。

 一人10ドルのチケットを入口のチケット売り場で買い、長いエスカレーターに乗って、二階に上がった。その広い会場には、何十台というRVが展示してあり、自由に中に入って見学できる。私はこのRVショーを、長い間楽しみにしていた。RV、つまりリクリエーショナル・ビエクルとは、キャンピングカーの事で、いつかアメリカ中をRVで旅したいと思っている。その夢の第一歩が、このRVショーだった。もちろん、路上を走っているものや、RVパークに駐車されているRVは沢山見たことがあったが、実際に中に入るのは、初めての経験だった。

RVには、大きく分けて二種類あるようだ。一つ目は、車自体に「居住間」がくっついた「モーターホーム」と呼ばれるもの、もう一つは、別の車で牽引する「トレーラー」形式のものだ。モーターホームには、運転席もエンジンも付いており、運転席の後ろにベッドやキッチン、バスルーム等が付いている。このモーターホームには、A、B、Cと三クラスあり、クラスAだと巨大な観光バスと同じくらいの大きさで、お値段も数十万ドルから、豪邸が建てられる数百万ドルを超えるものもある。芸能人の中には、特別にデザインされた超大型RVで、コンサート会場やロケ地を快適に移動する人達が少なくないようだ。クラスBは、要するに「バン」で、最近日本に普及してきたRVの中には、このタイプのものが多いように思う。私が思うには、運転席の上にベッドや収納庫がある形のモーターホームが「クラスC」と呼ばれ、アメリカでは良く見るタイプである。

 「トレーラー」タイプのRVにも種類が色々あり、私は完全には、この区別を理解していない。自信をもって言えるのは、トレーラータイプには運転席が無く、よって、それ自体だけでは移動できないことだ。人それぞれ意見が違うであろうが、私は、車とトレーラーを分裂できる分、現地についてから車だけで移動でき、小回りが利いて便利ではないかと思う。でもこれは一度もRV経験をしたことがない私の意見だから、信用できるものではないのだが、アメリカの国立公園の中には、細い道になっている所もあり、大型車が通れない場所があるので、この点を考えて、私は自分が購入するなら、トレーラータイプにしたいと考えている。

 長いエスカレーターを降りたすぐ近くにあったRVは、トレーラータイプの物が多く、私達は小型のトレーラーから見学を始めた。小型であれば、運転も楽だし、なんと言ってもガソリンの燃費が、大型車よりずっと良いに決まっている。その分収納スペースや収容人員が少なくなるが、私達夫婦が旅行するのに、そんなに大きなスペースは必要ないのだ。だからお値段も庶民的で、私達の手の届く範囲の小型トレーラーの方が、私には魅力的に見えた。最初に見たトレーラーには、ベッド、キッチン、トイレ、テーブル等が備え付けられた物が多く、これだけ揃っていれば、自宅にいるのと変わらないと思った。

しかし、私が本当に見たかったのは、「ティアドロップ」と呼ばれる、外観が「涙」の形をした超小型トレーラーである。私のティアドロップに対する情熱は、以前、「アメリカ人夫の一言」にも書いたが、


(http://amerikajinottonohitokoto.blogspot.com/2011/06/tear-drop.html)


今回のRVショーで、ぜひ実物が見たいと思っていた。そして実際に中に入って感動しているのが、下の写真である。






 ティアドロップの内部には、ベッド(マットレス)があるのみ。足下の上にはテレビやスピーカー、収納棚等が備え付けられている場合がある。私が一番知りたかったのは、背の高い夫がこの中に収まるかということだった。そこで人目もはばからず、強引に夫を中に呼び入れ、二人で寝転んでみた。問題なく入った。しかし、中で座るには少々猫背にならないといけないので、彼には窮屈かもしれない。このタイプより少し大きめの物があり、そちらはかなり快適だった。そこでティアドロップの近くに居たオーナーと思われる人に、いくらか聞いてみると、「これは売り物ではなく、レンタルです」と言われた。そうか、そういう手があったかと思った。そのティアドロップレンタル会社は、カンザスシティー近郊にあり、小さい方が1週間で325ドル、大きい方でも375ドルだった。それだったら、1年に1回行くか行かないかくらいの私達には、経済的かもしれない。それに実際に購入する前に、お試しができるのは良い案だと思った。

 ティアドロップには、ベッドと反対側の外に、小さなキッチンが付いている。私がティアドロップに引かれる理由は、この辺だ。去年、ミズーリ州ブランソンでキャンプ( http://durbinswalkontheearth.blogspot.com/2011/04/blog-post_21.html


した時、外でラーメンを作ったのが、非常に楽しかったので、外にキッチンがあることは、私にとっては利点なのである。こんな小さなキッチンを、カラフルな食器で飾ったらと、夢が膨らむのである。

 しかし、こんなティアドロップファンの私の心を揺り動かす事件が起こる。「エアストリーム」を見てしまったことだ。「AIRSTREAM」は、一番上の写真にある、銀色で丸めのフォームがとても可愛い奴だ。エアストリームを見つけた瞬間、思わず息を呑んで、立ちすくんでしまった。長い間、待ち焦がれて会いたかった愛人に、再会したという感じ。ああ、会いたかった。

 早速張り切って中に入ると、インテリアのセンスが、他のRVとは全く違う。モダンで明るく、私の心の琴線に響くものがある。ああ、どうしよう。こんなに可愛いのなら、私はここに一生住める。そこでお値段をチェックしてみると、他社の同じくらいのサイズのトレーラーと比べて、二倍くらいの値段がした。「え~!」である。さすが超人気者、強気である。

 トレーラータイプで興味深いのは、テントのような形をしたものだ。普段は折りたたんで小さく、現地に着いて広げる。テントを一から立てるよりずっと楽チンで、移動も簡単。「熊」が出ない所なら、こういうものも悪くないと思った。

 クラスAの超大型車も見学した。中はホテルのようだと思った。運転席の後ろは、まずキッチンとリビングルームがあり、壁にはテレビが設置されている。キャビネットは豪華な木製で、大人数人がゆったりとくつろげる。奥に向かうと、トイレ、シャワー室、ベッドルームと、車の中にいるとは思えないほど、本物の家のようだ。だから「モーターホーム」というのだろうが、私には、それがとても無駄な空間に見えた。こんな豪華なものを求めるのなら、ホテルに泊まれば良い。このような大型車の後部には、「倉庫」がある場合があり、大型のバイクも輸送できる。うっわーと思った。

 RVショーの会場にはRVだけでなく、他の商売の人たちも出展していた。最近人気の「省エネ窓」(二重になっていて、外の温度をシャットアウトする)とか、ブランソンのキャンプ場とか、いろいろ。その中で楽しかったのが、小さなスクーターだった。バッテリーが付いており、すいすいと会場内を走る。夫も私も試乗させてもらった。それに乗っているとかなり注目され、私を見ていたおじさんが、私の後でチャレンジしていた。

 とまあ、カンザスシティーの町中ではなかなか出来ないことを体験させてもらい、楽しい一時だった。