2012年8月26日日曜日

6年目結婚記念日 オリーブガーデン


 五年目だった去年は、ずいぶん張り切ってワイナリーに行き、「よっし、これからは毎年、結婚記念日にワイナリーに行こう!」と思っていたのだが、裏庭のフェンス修復がなかなか終わらず、お流れになってしまった。それで、かなり遅れてから、「とりあえず、レストランには行こう」ということで、行ってきたオリーブガーデン。このレストランを「ファミレス」と呼んでいるブログを見たことがあるが、それはあまりにもオリーブガーデンに対し、失礼という話である。全国チェーンレストランであれば、全て「ファミレス」と呼ぶのは、間違っている。私の中でオリーブガーデンは、もう少し高級な所に位置している。第一、ファミレスに酒類は置いていない。しかし、オリーブガーデンには、ワインもあるし、シャンペンもある。席が空くまでちょっと時間潰しをするバーもある。だから、オリーブガーデンをファミレスと呼んでいる人達は、もう少しこのレストランに、敬意を払うべきである。

 私達が行った日は、「ディナー二人分で三十ドル!」というキャンペーンをしていて、これはお得だと思い、私が会社から、仕事が休みだった夫に電話した。いつもより会社を早く出て、六時過ぎくらいにはレストランに着いたのだが、既に先客がいっぱいで、少々待つことになった。そこでページャーを貰い、カウンター席があるバーに行く。私はそこで、「ストロベリー・フレスコ」を頼んだと思うのだが、良く覚えていない。夫のは、写真とオリーブガーデンのメニューを見比べても、良くわからない。


  上の写真、「無表情で、没」と夫は言っていたのだが、せっかくの結婚記念日なので(と言っても、かなり遅れてだが)、一枚くらい一緒の写真があった方が良いと思い、載せてみた。ここでペイジャーが鳴るまで、それぞれのアルコホールを飲み、目の前にあったテレビでオリンピックを鑑賞。一番上の写真が、私達の目の前にあった、ちょいとおしゃれな空間である。



 しばらくしてペイジャーが鳴り、奥のテーブル席に移動。やって来たウェイトレスに、「二人で三十ドル」コースを頼みたいと言うと、「それは、大変人気のあるコースです。この中からアピタイザーを選んでください」と言う。それで注文したのが、上の写真。確か、ラビオリとズッキーニのフライだったと思う。これにマリナラソースをつけて食べる。




 オリーブガーデンでは、ディナーメニューを注文すると、その前にサラダとパンが出てくる。


 こちらは夫が注文したラビオリ(だと思う。)



でもって、私が食べたナスのフライとスパゲッティー。「二人で三十ドル」コースは、メニューが限定していて、あまり選択の幅が無かった。



 最後にウェイトレスさんに写真を撮ってもらい、「結婚記念日でレストラン」は、終了である。

2012年8月19日日曜日

ボジョと私




 さて、ここで問題。「犬は計算できるか?」答えは、「イエス!!!」である。天才的頭脳を持つ我が家の愛犬ボジョは、「ボジョの崖」と私が命名した場所に立っていた。ボブキャットで深く掘られた「ボジョのグランドキャニオン」最後部にあたる地面だが、夫が苦労して積み上げたセメントブロックの壁が、丁度「ボジョの崖」と同じくらいの高さになっている。ここで私は、「計算している犬」を見たのだ!!

「ほんの少し足を伸ばしたら、あの「万里の長城」(夫が作ったセメントブロック壁の事)のトップに届くかもしれない。そしたら隣に忍び込んで、猫を追い回せるぞ!」

あの時のボジョの真剣な目。「抜け道、見つけたり!」と、興奮に沸き立つ顔。あれは確実に、距離、高さ、彼自身の跳躍力と年齢を計算していた。自分の足下を見つめ、地面と壁との距離を測定する。

「現在14歳、もう若人ではない。最近、左腰にリウマチを患っている。失敗して落ちた場合、あの壁はかなり高い。落ちたら随分、痛そうだ。しかし、しかし。隣の猫は許せない。どうしても退治せねばならぬ。人間はこの辺を理解しないから、どうも困る。よし、命を懸けて、いざ決行だ!」

ああ、母の私には、本当にボジョの声が聞こえてきた。この悪ガキ犬め!そのような無鉄砲な行為を、母が許すと思うなかれ!私はあわてて、「万里の長城」にさらにブロックを積み、「ボジョの崖」には万里の長城へのアクセスを塞ぐため、ガーデンチェアーを置いた。それでもまだ心配で、ボジョの背の高さと壁の高さを、何度も見比べた。「人間は犬よりも賢いか?」人に(そして犬に)よりけりである。

裏庭フェンスの大工事!始まり編


 家の修復は、永遠に終わらないものらしく、あちらこちらにプロジェクトが現れる。今回は、裏庭のフェンス。以前から「いつかやり直さなきゃ」と言っていたものだが、嵐の後、隣の土地が低くなっている方が崩壊し、これ以上待てない緊急事態となった。こういう時、日本では専門家にまず電話するのが、大抵の人が取る手段かと思うが、ここはDIY大国アメリカ、自分でやるのである。



 塀が無ければ、犬のボジョを庭に放す事が出来ない。これは大変に大変な事である。その為なら炎天下での肉体労働もなんのその、夫を助けて見せましょうと、以前姉に貰ったピンクのカウガールハットを被り、張り切って出陣。今回、このカウガールハットが威力を発揮し、炎天下(華氏100度以上!!)でも、それ程暑いと思わなかった。カウボーイハットは、前後にツバがある。これで顔はもちろん、首の後ろも陰ができ、ずいぶん楽なのだ。カウボーイ達がカウボーイハットを被る理由が理解できた。ずいぶん機能的である。しかしこの様相の上にサングラスをかけていたら、ボジョに吼えられた。




 一番上の写真が「撤去前」で、この写真が「撤去後」だ。最初は夫が釘抜きでぐいぐい釘を抜いて、解体していたのだが、それはあまりにも過酷な肉代労働だったので、「電動のこぎりで繋ぎの板を切っちゃえば?」と私が助言したら、最初は「ヘン」ってなものだったが、その方が効率良いことに気付いた夫は、パワーツールに頼る事にした。夫がガンガン繋ぎの板を切る。3枚ほど繋がった古い板を、私が外のトラックまで運ぶ。重い物を運ぶと、汗が滴り落ちた。板を拾うのにうつむくと、鼻を伝って汗がポタポタ落ちる。こんなに汗をかいたのは、久しぶりだ。チームワークが効し、古い板は全てトラックに詰め込まれた。




数日後、仕事から自宅に帰ると、家の前にコンクリートを混ぜる機械が、夫のトラックの後ろに繋がっており、それはグルングルン回っていた。ハハン、頑張っているなと思い、片手にカメラを抱え、片手にボジョを連れて裏庭に出陣!パシャパシャ写真を撮っていると、「ここは工事現場なんだ。出てけ~!」と、夫に追い出された。なんだか大人ぶって、頑張ってるふりをしているなと思っていたら、コンクリートミキサーの返却時間が迫っていて、焦っていたらしい。壁が崩壊した方には、溝が掘られ、コンクリートの土台を作っていた。




 さて、上の写真にあるマシーンは、アメリカでは「ボブキャット」と呼ばれている。Bobcat Companyという会社の商品なのだが、基本的にこういった機械は全て「ボブキャット」と呼ばれているのだと思う。(専門家でないので、詳しいことはわからないのだが。)運転しているのは、夫の友人で、今回のプロジェクトの為に雇った。彼はこういった、個人宅での修復等を職業にしている。以前「アメリカ人夫の一言」で水道管修理の一件をご紹介したが、その時登場したのが、この人物である。(その時の様子はこちら:http://amerikajinottonohitokoto.blogspot.com/2010/08/i-will-be-back.html




 その一方で、反対側は、こんな風に涼しげ。こちらも一部が剥がれて、修復が必要だったのだが、夫が全てやり直した。こういう事になると、急に律儀になる性格で、私は全然気にしていなかったのだが、板が収縮して隙間ができており、隣の庭が見える状態が、我慢できなかったらしい。確かに全ての板を打ち直した後は、壁がびっしりし、隣が見えなくなった。



 この日の最終段階は、こんな所。この上にセメント製のブロックを積み、補強壁を作る。その上に木製フェンスを建てる予定。乞うご期待!

2012年8月9日木曜日

崩れゆくビル


 通勤途中に見えるこのビル。随分長い間かかって解体作業が行なわれた。毎日見るのでなんだか愛着が湧き、「今日はどこまで出来ただろうか」と、観察するのが楽しみだった。赤信号で停車する度、首を伸ばして眺めたものだ。そんなある日、夫が運転している時にカメラを持っている事に気付き、「これを見逃せば、私が写真を撮る前に解体作業が終わってしまう!」と、張り切って写真を撮りだした。



 これは高速から撮ったもの。ビルの上だけが見える。


 高速から降りた時の激写。形がとってもドラマチック。長い間、写真を撮るのを待っていたが、最もドラマチックな形の時に写真が撮れて良かった。


 この車の上に付いた巨大なボールをブラブラ当てて、解体する。相当な時間がかかった。



 
夫が運転する車が、また動き出す。さらば!

2012年8月4日土曜日

夜のダイナー Town Topic



 裏庭から崩壊した木製フェンスを撤去するという肉体労働を一日こなした真夏日のある夕方、私の脳裏にはマクドナルドのストロベリースムージーのイメージが焼き付いていた。金槌と釘抜きでバンバン解体作業に励み、途中から「わざわざ一枚一枚外さなくても、繋ぎの板を切れば、解体も楽チン、運ぶのも楽チン」という私の言葉で、道具が電動のこぎりに変わったものの、炎天下の中、トラックまで重い木の板を運ぶのは重労働で、全てをトラックに詰めた時は、疲労困憊していた私達だ。マクドナルドのスムージーくらいのご褒美があっても良いというものだ。しかし夫はダイナー「Town Topic」に行こうという。
「あそこなら、ミルクシェーキがあるよ。」
いや、私はマクドナルドのストロベリースムージーが飲みたい(コマーシャルを見たため)と主張したが、夫の「前々からあそこに行きたいって、言ってたじゃないか」の一言で、「Town Topic行き」に合意する事にした。そうなのだ。あの小さな小さなダイナーは、なぜかカンザスシティで有名で、つい先日も、Anthony Bourdainの旅行テレビ番組「No Reservations」で紹介されていたばかりだ。
http://www.travelchannel.com/tv-shows/anthony-bourdain/photos/no-reservations-kansas-city-pictures
しかし、私のカメラが無い。仕方が無いので夫の携帯カメラで、写真を取ることにした。

 駐車場に入ると、いい匂いが漂っている。期待感が高まる瞬間である。この「Town Topic」、レストランレビューを見ると、断然評価が高い。皆、口を揃えて「最高のハンバーガー」と言う。テレビでも、「こんなうまいバーガーは他に無い」と言っていた。そんな魔法のような奇跡のハンバーガーが食べられるはず!十脚くらいしか椅子が無い店内に席を取ると、カウンターの向こう側の女性が、「ご注文は?」と聞く。彼女の頭上の壁に張り出されたメニューに目を通し、「シングル・ハンバーガー」と「オニオンリング」と「ストロベリーミルクシェーキ」を頼んだ。年は七十歳に近いだろう、店の黒いユニフォームTシャツを着たそのウェイトレスは、持ち帰り用の白いカップに、ピンクのストロベリーアイスクリームをゆっくり入れた。そしてしばらく奥で作業をすると、私達の前に「ストロベリーミルクシェーキ」を置く。「ミルクシェーキ」とは要するに、溶けたアイスクリームと牛乳を混ぜた物ではないか。なんだかそんな味がした。




 しばらくすると、揚げたてのオニオンリングとハンバーガーが登場した。こちらは、白い帽子とエプロンを着けたコックが運んで来た。オニオンリングは、ザクザクにクランチな歯ごたえ。多分、衣にコーンミールを使っているのだろう。これはおいしかった。「シングル・ハンバーガー」とは、中のバーガーが一枚という事だ。「ダブル」なら二枚で、「トリプル」なら三枚になる。一口食べてみると、味が無かったのでパンを開け、目の前にあったケチャップとマスタードとホットソースをかけてみた。多分これが、この店での正しい食べ方なのだろう。ギュッとフライ返しで押し付け薄く伸ばされたバーガー自体は、あまり味が無い。薄くすれば、焼き目が付いて香ばしくなるという事だと思う。じっくり炒めた玉ねぎがバーガーの中に閉じ込められ、その上にピクルスがある。パンはとってもダイナー的、庶民的なバンズで、バターを塗った上にグリルされている。決して高級では無いし、「魔法のような奇跡のハンバーガー」では無かったが、 冷凍の肉を使っていないというのはわかる。バーで酒を飲んだ若者が立ち寄る夜の街のオアシスが、ポッカリ電気を点けて待っている、そこのハンバーガーといったところだ。

 店内には昔の写真が飾ってあった。私は古い写真が大好きである。蝶ネクタイのウェイターと、レースの縁取りがある白い帽子を着けたウェイトレス。今と違って皆スリムで、ウェイトレスはきちんと化粧しているのが、白黒写真からもわかる。六十年代はどうしてこう「物語がある」のだろう。現在には無い「品」がある。

 私達のために給仕してくれたウェイトレスは、ここで四十五年も働いていると言う。そこで、「あの写真に写っているのは、あなた?」と聞いてみると、これら写真の中の人達は全員亡くなっており、彼女よりも一昔前の世代の人達だそうだ。そんな昔から存在するダイナーなのである。最も古い写真の中にある店の看板には、「ハンバーガー10セント」と書かれている。10セントでハンバーガーが食べられた時代。それは、カンザスシティのダウンタウンが街の形を見せ始めた頃だろう。その一枚の写真だけで、カンザスシティ初の高層ビルを建設した労働者達が、見えてくる。その頃流行したジャズが、聞こえてくる気がする。古い写真には、多くの事を語れる力がある。

 ウェイトレスの背後にあるガラスケースには、数種類のパイが入っていた。これもダイナー的だ。今回はパイを食べなかったが、次回はぜひトライしたい。

 お勘定をしてもらおうと思い、コックに聞くと、「彼女は自分に、金銭関係を一切触らせない」と言い、奥にいるウェイトレスを指差す。この小さな建物の中での力関係がわかる発言だ。大変宜しいと思った。ウェイトレスにもコックにも丁寧にお礼を述べ、にっこり笑って席を立つと、コックがウインクをして見送ってくれた。

カンザスシティ・バーベキューレストラン Gates




 テキサスから甥がやって来た時、もう一軒別のレストランに行っている。最初カンザス州カンザスシティにある有名なBBQレストラン「Oklahoma Joe's BBQ」(http://www.oklahomajoesbbq.com/)に連れて行こうと思ったが、いざ元ガソリンスタンドだったというレストランに着くと、この状態!


 外に三十人ほど待ち人が溢れている!この時点で既に7時半で、閉店するのが8時半だから、これでは食事にありつく前に閉店してしまうだろうと思い、諦めた。そこで私達が向かったのが、これまたカンザスシティの有名BBQレストラン「Gates」(http://www.gatesbbq.com/)だ。この日は甥だけではなく、彼の二人の妹と母も連れていたので、総勢6名様。(と言っても、カメラマンの私はこの写真に写っていないのだが。)



 Gatesはカンザスシティの有名なバーベキューレストランで、テレビで何度も放送されている。トラベルチャンネルのFood Warでは、Arthur Bryant's BBQ(http://www.arthurbryantsbbq.com/index.htm)と対戦した。



 入口から店内に入ると、まず注文カウンターがある。そこで夫が私達を代表して、「リブ」と「オニオンリング」と確か「ビーフ」を大量に注文した。少々スパイシーなソースが美味しい。カンザスシティ出身の夫が最も愛するバーベキューソースで、我が家の冷蔵庫にはGatesのボトルが常備してある。夫は私達日本人が何にでもしょう油をかけるように、このバーベキューソースを利用する。リブは美味しかった。ここには写っていないが、ビーフの薄切りを食パンに挟んで、サンドイッチにして食べた。




 夫の姉は一年ほど前に離婚し、オクラホマから故郷カンザスシティに帰ってきた。最初は彼女の母の所に居候していたのだが、このほどトレイラーと言って、とっても簡易な住居を手に入れ、やっと自立。トレイラーと聞いて、最初はとても狭い場所を想像していたのだが、意外や意外、これが結構大きくて、新しく奇麗なのである!こういう生活の選択も悪くないと、目が見開かされる思いだった。なんせ、キッチンは私達の家のより遥かに大きく、彼女のベッドルームの奥には、「ジャグジーバス」がある!玄関前には、とっても立派なポーチがあり、バーベキューパーティーには最適。とまあ、この日は彼女が正式にそのトレイラーを購入した日だったようで、バーベキューを摘みながら、その話を聞いた。





 姉の二人の娘達。私と夫は予期していなかったことなのだが、次女がこのほどテキサスのお父さんの家に行く事になり、この日が彼女の送別会にもなった。




 爪楊枝をくわえるお茶目な長女。「これをFacebookのプロフィール写真にせよ」と、叔母の私。

 最後にレストランの前で、沢山記念写真を撮った。この次全員集まるのは、いつだろうか?