2011年11月29日火曜日

カンザスシティー彫刻公園



 「死者の日」のお祭が行なわれたのは、カンザスシティーにある「ネルソン・アトキンズ美術館」だったのだが、この美術館の周りは、「カンザスシティー彫刻公園」と呼ばれており、数多くの彫刻やオブジェがある。「死者の日」は、とても美しい日で、お祭を見学した後、公園を少々散策した。この公園で一番有名なのが、上の写真のお茶目な夫の背後にある「バトミントンの羽」だ。なんでこんな巨大な羽がボコボコ配置されているのか良く分からないのだが、ネルソン・アトキンズ美術館を見つける目印と言っても良いくらい、カンザスシティーのランドマークになっている。



上の写真では良く分かりづらいのだが、2つ、バトミントンの羽がある。



 ロダンの「考える人」もある。




周りでオトボケに考えている人もいる。

晴れた午後の青空の下、「ネルソン・アトキンズ美術館」はとても美しかった。




この他にも、この公園には数多くの彫刻があり、これだけを解説するオーディオガイドもある。(下のウェッブサイトには、写真がいっぱいなので、ぜひクリックしてください!)
http://nelson-atkins.org/studio33/interactives/kcsp/index.cfm

11月なのが信じられない程、とても暖かい日だった。

2011年11月26日土曜日

2011年 サンクスギビングデー



 今年は、サンクスギビングデーの直前に、2回もポットラックパーティーがあった。そのうちの一回は、日曜日に我が家で、もう一回は、火曜日に会社で。なので、去年の半分の出席者とは言え、また我が家で行なわれるサンクスギビングに、てんてこ舞いであった。前日の水曜日に有給休暇を取っておいて、本当に良かった。

 水曜日の昼間に、いつも行くスーパーに買い物に行き、前日作ったリストにある品々を買い揃える。私の会社からHoney Baked(http://www.honeybaked.com/)というハムで有名なお店の商品券40ドル分を貰っていたのだが、夫の父がハムをくれるという情報を得たので、商品券は、また他の機会に使うことにし、今回は、いつものようにターキーを焼く計画だった。夫の母と姉は、そのハムと、グリーンビーンズのオーブン焼き、スタッフィング、スイートポテトのオーブン焼きを、デザート担当の叔母はクリームチーズケーキを持参するというので、私はそれ以外の物を作らなければならない。インターネットでレシピを検索した結果、コーンカセロール、クリームド・スピナッチ、マッシュルームの詰め物、そして去年も作ったボビー・フレイのターキーを作ることにした。私個人だけなら、寿司でも作るのが一番嬉しいのだが、ファミリーの日、サンクスギビングデーなので、それらしく伝統的な物を選んだ。

 去年の経験から、できることは全て前日にしておいた方が良いということは分かっていたので、まず、作り置きできるクリームド・スピナッチ、つまりホウレン草からスタート。初めはレシピ通りに作ったのだが(そのレシピはこちら:http://www.foodnetwork.com/recipes/ellie-krieger/creamed-spinach-recipe/index.html)、それではあまりにも味が無かったので、冷蔵庫にあったクリームチーズやら、パルメザンチーズやら、とにかく「クリーミーな物」を片っ端から投入し、何とか食べられるようにした。初めのレシピは糖尿病患者用のレシピかと思うほど、全く素っ気無い味だった。

 次は自分で勝手に考案した「クランベリー・ショートケーキ」。クランベリーに砂糖とシナモンを加え、弾けるまで煮詰める。クランベリーは本来、とてもすっぱくて、少々苦い。なので、大量の砂糖が必要なのだが、多分普通のアメリカ人が入れる3分の1くらいの量にした。スーパーで買ってきたショートケーキの土台の上に、ホイップクリームを塗り、その上にクランベリーを載せた。試食係の夫に食べさせたら、「旨い、旨い」と言って食べてくれたので、翌日デビューさせる事にした。(デビューした状態が、下の写真。)



 コーンカセロールも、翌日焼くだけで良いように、全てをオーブン皿に入れ、冷蔵庫に眠らせる。

 私の一番の格闘は、「ターキーの解凍」だった。ターキーは、カチンコチンに凍った状態で売っている。(いや、生のターキーもあるのだが、私ごときの庶民が買う安いターキーは、みんな凍っているのである。)このターキーを冷蔵庫で自然に解凍するには、二日間かかるのだが、私にそんな余裕は無い。そこでアメリカ主婦五年目の私がどうしたかと言うと、「水に浸ける」のである。本当は、あまりお勧めする方法では無いのだろうが、こうするより他ないのである。病気になった人がいないところを見ると、これで良いと、私は思う。

 さて、このターキーの解凍、今年私は、「ウン、だんだん、私も慣れてきたではないか」と自我自賛した。初めて作った時など、羽が毟られ、首がちょん切られただけの丸ごとターキーに、「死体」を触るような思いがし、正直言って、吐きそうな気分になったのだが、今年は、羽を広げ、内臓が取り出されたターキーの死体の空洞に手を突っ込み、切り取られた首を引き出すのも、難なくこなした。ここに辿り着くまでに、かなりの時間が必要なのだが、最後に首を引き抜いた時は、かなりの達成感が味わえた。

 去年、時間がかかり過ぎ、客人たちを待たせることになったのは、意外に前準備に時間がかかることを読んでいなかったことが原因だったので、今年は、できることはすべてやろうと、ハーブバターを作り、玉ねぎ、セロリ、人参を、前日に切っておいた。切った野菜をアルミホイル製の大きなケースに敷き詰め、その上にターキーを載せ、アルミホイルで包んで、冷蔵庫に押し込んだ。本当は、マッシュルームも準備しようと思っていたのだが、疲れてきたので、翌日する事にし、テーブルクロスにアイロンをかけ、就寝する。

 さて本番当日、まず最初に、ターキーを冷蔵庫から出し、ハーブバターを塗る。これがなかなか大変なのである。うまく濡れないので、粘土のようなバターの塊を所々に置くといった感じだ。そして切った野菜の半分を空洞に入れる。残りの半分は、下に敷けと、ボビー・フレイは言っている。なので、そのようにして、オーブンに入れ、華氏450度で45分焼く。その後、350度に温度を下げ、2時間15分焼く。私は、「これで、オーケー」と思い、他の事をし出し、15分くらい経ってから、ボビー・フレイがFoodNetworkの番組で、「ターキを焼くのに、一番大切なのは、大量のチキンストック!」と言っていたのを、ハッと思い出し、慌ててチキンストック4カップを投入する。危ない所だった。究極にドライなターキーになる所だった。こうして、無事出来たのが、下のターキーである。



初めチキンストックを入れるのを忘れていた為、少々、茶色過ぎると思わないでも無いが、文句を言う人はいなかったので(言うとしたら、大変失礼な奴だが)、まあ、良かったのだろう。

 実は、ターキーを冷蔵庫から出した時に、夫の父がやって来た。父は、強力に機嫌が悪い日もあるのだが、そうじゃない日は良い人で、この日は、私にお花を持ってきてくれた。これは花瓶に挿して、テーブルの上に飾った。彼が置いていった茶色の紙袋の中には、その他にも、イチゴ等、美味しそうなものが入っていて、食べれるものは全てサンクスギビングの食卓に出した。

 指定した時間になったら、まず、夫の母と姉がやって来た。約束通り、父から貰ったハムを抱えて。(夫の両親は離婚しているので、一緒にサンクスギビングはしません。)そのハムは下の物。



 叔母も登場し、みんなで食卓を囲む図。写真で見ると、なかなか快適そうに見える、と自分では思っている。



なぜか今年は、叔母も、母もワイン持参で登場し、私達も結婚記念5周年で行ったワイナリーのワインがまだ残っていたので、みんなでワインを飲む事になった。なかなか美味しいワイン達だった。



上は、姉と叔母。下は、疲れ切った私と夫である。



とにかく、サンクスギビングが無事終了し、良かった。

2011年11月8日火曜日

Dia de los Muetos - 死者の日



 メキシコでは、11月1日と2日、「死者の日」と言って、死んだ人達がこの世に降りて来るのを、盛大に祝うお祭をするらしい。日曜日の11月6日に、カンザスシティーにある「ネルソン・アトキンズ美術館」で、"Dia de los Muetos"「死者の日」のお祭を、カンザスシティー在住のメキシコ領事館が主催するというので、夫と一緒に赴いた。

 良く日本の盆のようなものと例えているのを読むのだが、それは少々違うと思う。彼らは、あまりにも明るいのである。故人の写真や生前好きだった食べ物をお供えする祭壇「オフレンダ」は、オレンジ色のマリーゴールドで飾られ、オトボケな骸骨達が陽気に踊り回るのが、「死者の日」らしい。日本の盆のイメージからは、かなりかけ離れている。

 最初に入った美術館の入口では、骸骨の版画を刷っている人たちが居り、その前には長い列が出来ていた。列に加われば、一枚もらえたのかもしれないが、時間がかかりそうだったので、私達は諦めた。その横には、随分可愛らしい「死者の日」の展示があった。




 入口に"Jose Guadalupe Posada"と書かれたサインがあり、その下には、滑稽な骸骨カップルが腕を組んでいる。何でも、この画家が書いた骸骨の絵が、「死者の日」の典型的なイメージらしい。随分キュートなカップルで、一目で気に入った。




 建物の奥から音楽が聞こえてくる。中に入ると、沢山の人達に囲まれて、メキシコの楽団「マリアッチ」が、陽気な音楽を奏でている。アメリカのど真ん中、中西部の美術館にいるのが信じられないほど、メキシカンな空間である。彼らが脇で待機している時に、夫が写真を撮っても良いかと聞くと、その中の女性演奏者が、「あなたも中に入って、写真を撮りましょう」と私に言ってくれたので、下のような写真が撮られた。



 私達夫婦は、次の出演者が待っている場所の近くに居たので、近距離で写真を撮れた。とても明るい骸骨達だ。




カメラ目線に思いっきりポーズを取ってくれて、どうもである。どうやら、男性が女性の服装を、そして女性が男性の服装をしているようである。

 実は観客の中に、地元のテレビ局ニュースレポーター、Chris Hernandez(http://www.nbcactionnews.com/dpp/about_us/staff/Chris-Hernandez%3Cbr--%3EPolitical-Reporter)が居るのを発見し、あからさまに写真を撮るのは気が引けたものの、陰からしっかり写真を撮った。




私がパパラチに化した瞬間でもある。

先程の陽気な骸骨達は、会場の人達も招きいれて、楽しい踊りを披露してくれた。






 子供達によるダンスもあった。こちらはもっと伝統的なメキシコの衣装。とても可愛かった。





 飾り付けも骸骨だらけである。






とてもカラフルな一日だった。