2012年11月4日日曜日

米民主党全国大会・第一日目



 途中で旅行に行ってしまい、中断されてしまった米民主党全国大会。かなり前の話になってしまったのだが、見過ごすわけにはいかない重要ポイントなので、全てを書くことはできなくても、記録を残しておこうと思う。このままでは、大統領選挙自体が終了してしまう。できることをしなければ。

 この日の主役スピーカーは、なんと言ってもファーストレディのミッシェル・オバマと、サンアントニオ市長のジュリアン・カストロ。




カストロ市長のスピーチについては、「アメリカ人夫の一言」で詳しく述べたので、ここでは割愛させていただく。(なにせ、レポート遅れていますので。書きたいことが山積状態!)アメリカ人夫の一言に載せた”Why didn't I think of that!"をまだお読みで無い方は、今すぐこちらをクリック!読まなきゃ、損します!

http://amerikajinottonohitokoto.blogspot.com/2012/09/why-didt-i-think-of-that.html



 この日のファーストレディの最も重要な役割は、彼女の夫バラック・オバマの人格を国民に伝えることだろう。そしてこのスピーチほど、それに成功した例はありえない。彼女の真摯な言葉は、国民一人一人の心に深々と積まれていった。今年、結婚二十周年を迎えたオバマ夫妻。それでも、夫は出会った時から何も変わっていないという。彼女にとって、「穴の開いた底を通して、道が見える車」で迎えに来た、若き日の彼そのままなのだ。ファーストレディは言った。「大統領の責務をこなし、人格が変わりましたかと、人に聞かれる事があります。しかし、夫は何も変わっていません。大統領を務める事で、夫の本当の人格が更に現れたと、私は思うのです。」その人格とは、高収入が約束された仕事を断り、市民の為に働く安月給の仕事を取った奉仕の精神を持った人格だ。大統領となった今、彼は夜遅くまで、国民から届けられた手紙を読むと言う。月々の支払いができなくて困っている父親、既に存在する病気のため保険がかけられない女性、学生ローンの返済ができない人、そんな人々の手紙を読み、「この人たちの為に、何とかしなければ」と、真剣に訴えると言う。私がオバマ大統領を信頼するのは、この点だ。彼は、本当に国民の為に働いている。そんな大統領が、この世界に何人いるというのか。私は、このアメリカ大統領を誇りに思う。

 ミッシェル・オバマの父は、市の水道局で働いていたという。彼女がまだ幼い頃、既に父は多発性硬化症(アメリカではMS(Multiple Sclerosis)という。日本では珍しい病気だが、アメリカ人でこの難病にかかる人は多い)にかかり、制服のボタンをしめ、階段を上がるのも大変だったらしい。しかしそんな身体でも、毎日仕事に出かけ、休むことは殆ど無かった。彼の二人の子供達を育てる為だ。「父は、重労働を苦にしていませんでした。子供達を立派に育て、大学に行かせること、自分には夢見ることさえも出来なかった事を、子供達のために実現するため、働く事に喜びを覚えていたからです。」

 ミッシェル・オバマの父について調べている時、次の写真入りインターネットを見つけた。赤ん坊のミッシェルを抱いている母と、傍らにいる若き日の父。とても素敵な写真である。

http://rollingout.com/politics/michelle-obama-honors-her-favorite-dads-for-fathers-day/

 ファーストレディは、彼女の夫も、勤勉な祖父母に育てられたという。だからこそ、今、一生懸命働く国民の苦労が良くわかるという。「事業を始めよ。資金が必要なら、親から借りれば良い」と、学生に助言するミット・ロムニーとは、根本的に違うのである。

「私達は、それは若く、それは深く恋に落ち、そしてそれは大きな学生ローンの借金がありました。」というファーストレディの言葉に会場は沸いたが、結婚当初、学生ローンの借金の合計額は、家のローンよりも大きかったと言う。現在のアメリカでこの学生ローンを返済できなくて困っている人たちがどれほど多くいるか、共和党は全く理解していないらしく、学生ローンの利子を上げる法律を作ろうとした。全く、共和党は馬鹿げている。国民からかけ離れている。

民主党全国大会の第一日目は、このミッシェル・オバマのスピーチで終了した。この後、クリントン前大統領が演説した第二日目、オバマ大統領自身が演説した第三日目が、この後に続く。

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