2012年3月19日月曜日

RVショー



 もうかなり前のことになるのだが、1月にカンザスシティーで行なわれたRVショーに行ってきた。この日は張り切って半日休暇を取り、前日にはカメラの電池も充電し、準備万端のつもりが、私の車にカメラを置き忘れ、夫の車で会場に行った私達の手元には、カメラが無かった。なので、夫の携帯で取った写真のみである。ブログ更新がこんなに遅れたのも、夫がなかなか写真を送ってくれなくて、今日になってしまった。とまあ、こんな理由で、遅ればせながら、3月になっての更新である。

 カンザスシティーは、数年前から「レストランウィーク」というのを始め、登録したレストランではランチが15ドル、ディナーが30ドルの特別メニューが食べられる。その日は丁度レストランウィークの真っ只中で、私達もその中のレストランに行って来た。しかし残念ながら写真が残っていない。とまあ、おしゃれなレストランでランチを取った後、RVショーが行なわれたバートルホールに向かう。路上のメーター駐車場に車を留め、いざ出陣である。

 一人10ドルのチケットを入口のチケット売り場で買い、長いエスカレーターに乗って、二階に上がった。その広い会場には、何十台というRVが展示してあり、自由に中に入って見学できる。私はこのRVショーを、長い間楽しみにしていた。RV、つまりリクリエーショナル・ビエクルとは、キャンピングカーの事で、いつかアメリカ中をRVで旅したいと思っている。その夢の第一歩が、このRVショーだった。もちろん、路上を走っているものや、RVパークに駐車されているRVは沢山見たことがあったが、実際に中に入るのは、初めての経験だった。

RVには、大きく分けて二種類あるようだ。一つ目は、車自体に「居住間」がくっついた「モーターホーム」と呼ばれるもの、もう一つは、別の車で牽引する「トレーラー」形式のものだ。モーターホームには、運転席もエンジンも付いており、運転席の後ろにベッドやキッチン、バスルーム等が付いている。このモーターホームには、A、B、Cと三クラスあり、クラスAだと巨大な観光バスと同じくらいの大きさで、お値段も数十万ドルから、豪邸が建てられる数百万ドルを超えるものもある。芸能人の中には、特別にデザインされた超大型RVで、コンサート会場やロケ地を快適に移動する人達が少なくないようだ。クラスBは、要するに「バン」で、最近日本に普及してきたRVの中には、このタイプのものが多いように思う。私が思うには、運転席の上にベッドや収納庫がある形のモーターホームが「クラスC」と呼ばれ、アメリカでは良く見るタイプである。

 「トレーラー」タイプのRVにも種類が色々あり、私は完全には、この区別を理解していない。自信をもって言えるのは、トレーラータイプには運転席が無く、よって、それ自体だけでは移動できないことだ。人それぞれ意見が違うであろうが、私は、車とトレーラーを分裂できる分、現地についてから車だけで移動でき、小回りが利いて便利ではないかと思う。でもこれは一度もRV経験をしたことがない私の意見だから、信用できるものではないのだが、アメリカの国立公園の中には、細い道になっている所もあり、大型車が通れない場所があるので、この点を考えて、私は自分が購入するなら、トレーラータイプにしたいと考えている。

 長いエスカレーターを降りたすぐ近くにあったRVは、トレーラータイプの物が多く、私達は小型のトレーラーから見学を始めた。小型であれば、運転も楽だし、なんと言ってもガソリンの燃費が、大型車よりずっと良いに決まっている。その分収納スペースや収容人員が少なくなるが、私達夫婦が旅行するのに、そんなに大きなスペースは必要ないのだ。だからお値段も庶民的で、私達の手の届く範囲の小型トレーラーの方が、私には魅力的に見えた。最初に見たトレーラーには、ベッド、キッチン、トイレ、テーブル等が備え付けられた物が多く、これだけ揃っていれば、自宅にいるのと変わらないと思った。

しかし、私が本当に見たかったのは、「ティアドロップ」と呼ばれる、外観が「涙」の形をした超小型トレーラーである。私のティアドロップに対する情熱は、以前、「アメリカ人夫の一言」にも書いたが、


(http://amerikajinottonohitokoto.blogspot.com/2011/06/tear-drop.html)


今回のRVショーで、ぜひ実物が見たいと思っていた。そして実際に中に入って感動しているのが、下の写真である。






 ティアドロップの内部には、ベッド(マットレス)があるのみ。足下の上にはテレビやスピーカー、収納棚等が備え付けられている場合がある。私が一番知りたかったのは、背の高い夫がこの中に収まるかということだった。そこで人目もはばからず、強引に夫を中に呼び入れ、二人で寝転んでみた。問題なく入った。しかし、中で座るには少々猫背にならないといけないので、彼には窮屈かもしれない。このタイプより少し大きめの物があり、そちらはかなり快適だった。そこでティアドロップの近くに居たオーナーと思われる人に、いくらか聞いてみると、「これは売り物ではなく、レンタルです」と言われた。そうか、そういう手があったかと思った。そのティアドロップレンタル会社は、カンザスシティー近郊にあり、小さい方が1週間で325ドル、大きい方でも375ドルだった。それだったら、1年に1回行くか行かないかくらいの私達には、経済的かもしれない。それに実際に購入する前に、お試しができるのは良い案だと思った。

 ティアドロップには、ベッドと反対側の外に、小さなキッチンが付いている。私がティアドロップに引かれる理由は、この辺だ。去年、ミズーリ州ブランソンでキャンプ( http://durbinswalkontheearth.blogspot.com/2011/04/blog-post_21.html


した時、外でラーメンを作ったのが、非常に楽しかったので、外にキッチンがあることは、私にとっては利点なのである。こんな小さなキッチンを、カラフルな食器で飾ったらと、夢が膨らむのである。

 しかし、こんなティアドロップファンの私の心を揺り動かす事件が起こる。「エアストリーム」を見てしまったことだ。「AIRSTREAM」は、一番上の写真にある、銀色で丸めのフォームがとても可愛い奴だ。エアストリームを見つけた瞬間、思わず息を呑んで、立ちすくんでしまった。長い間、待ち焦がれて会いたかった愛人に、再会したという感じ。ああ、会いたかった。

 早速張り切って中に入ると、インテリアのセンスが、他のRVとは全く違う。モダンで明るく、私の心の琴線に響くものがある。ああ、どうしよう。こんなに可愛いのなら、私はここに一生住める。そこでお値段をチェックしてみると、他社の同じくらいのサイズのトレーラーと比べて、二倍くらいの値段がした。「え~!」である。さすが超人気者、強気である。

 トレーラータイプで興味深いのは、テントのような形をしたものだ。普段は折りたたんで小さく、現地に着いて広げる。テントを一から立てるよりずっと楽チンで、移動も簡単。「熊」が出ない所なら、こういうものも悪くないと思った。

 クラスAの超大型車も見学した。中はホテルのようだと思った。運転席の後ろは、まずキッチンとリビングルームがあり、壁にはテレビが設置されている。キャビネットは豪華な木製で、大人数人がゆったりとくつろげる。奥に向かうと、トイレ、シャワー室、ベッドルームと、車の中にいるとは思えないほど、本物の家のようだ。だから「モーターホーム」というのだろうが、私には、それがとても無駄な空間に見えた。こんな豪華なものを求めるのなら、ホテルに泊まれば良い。このような大型車の後部には、「倉庫」がある場合があり、大型のバイクも輸送できる。うっわーと思った。

 RVショーの会場にはRVだけでなく、他の商売の人たちも出展していた。最近人気の「省エネ窓」(二重になっていて、外の温度をシャットアウトする)とか、ブランソンのキャンプ場とか、いろいろ。その中で楽しかったのが、小さなスクーターだった。バッテリーが付いており、すいすいと会場内を走る。夫も私も試乗させてもらった。それに乗っているとかなり注目され、私を見ていたおじさんが、私の後でチャレンジしていた。

 とまあ、カンザスシティーの町中ではなかなか出来ないことを体験させてもらい、楽しい一時だった。

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