2012年3月28日水曜日

ドライブインレストラン:Sonic



 「パイオニア・ウーマン」という最近のお気に入り料理番組を見ていた時だった。ここに登場する料理人は、オクラホマ州の大酪農場を営むカウボーイの妻で、アメリカの田舎料理を得意とする。彼女の料理本はベストセラーになり、こうして「Food Network」で料理番組まで持つようになったのだが、彼女の人気の秘密は、そのおしゃれなスタイルだと思う。自ら「パイオニア・ウーマン」と名乗りながらも、周りに何もない農場での生活をこんなにおしゃれに見せられるのは、彼女が「田舎出身者では無い」からだ。オクラホマ州出身だが、子供時代は、街に住んでいた。ロサンゼルスに住んでいた時代もある。そんな都会の生活を知っている彼女が、郷里オクラホマの農場でカウボーイと出会い、ハイヒールを脱ぎ捨て、田舎の農場に嫁入りする。そんな彼女が繰り広げるオクラホマの農場には、洗練された都会のセンスが見えるのだ。

 その料理番組で「パイオニア・ウーマン」は、「ブレックファースト・ブリート」を作り、仕事をしているカウボーイ達に届ける。これを毎日しているのかは定かでは無いが、その「ブレックファースト・ブリート」は、とてもおいしそうに見えた。ブレックファースト・ソーセージ(これは、どちらかと言えば、小さなハンバーガーのようなもので、日本のソーセージとは、かなり違う)と炒り卵を混ぜ、それをトルティーヤで巻く。これが基本形だが、各人好みが違うので、チーズ入り、ハラぺーニョ入り、チーズ+ハラぺーニョ入りと、バリエーションをつけていた。


 前置きがかなり長くなったが、これを見ていて、急遽「ブレックファースト・ブリート」が食べたくなったのだ。家に卵とトルティーヤはあるものの、ソーセージが無い。そこでふと、朝食メニューを一日中出している「ソニック」に行けば、簡単にブレックファースト・ブリートが食べられるのではないかと思った。日曜日で仕事が休みだった夫に告げると、「じゃあ、行こう!」と、すぐに二つ返事。午後からは予定があったので、大慌てで車に飛び乗り、自宅近くのドライブインレストラン「ソニック」に向かった。




 日本で「ドライブインレストラン」と言うと、高速道路のパーキングアリアにあるレストランという印象を受けるが、アメリカのドライブインレストランは、かなり違う。ここでは、駐車場に車を乗り入れ、その横にあるスピーカーから店内のスタッフに注文を入れる。ソニックでは、駐車場にある機械でクレジットカード清算もできる仕組み。もちろん注文した食事を届けてくるスタッフに、現金で支払うこともできる。こうして注文から支払い、食事まで、車を降りること無く車中で全て済ませてしまうのが、ドライブインレストランだ。ソニックには「ドライブスルー」もあり、時間が無かった私達は、こちらを利用した。こうして、車中で食事するのが、随分アメリカンなのである。



 店の横には、テーブルが設置してあり、外でピクニックを楽しんでいる家族がいた。




 もちろん私達が注文したのは、「ブレックファースト・ブリート」だ。「パイオニア・ウーマン」のように、ソーセージと卵、そしてチーズが入っていた。欲求が満たされ、満足だった。基本的に、ドライブインレストランのメニューは、典型的なアメリカン料理が多い。ソニックでは、ハンバーガー、朝食メニュー(卵入りブリートやサンドイッチ)の他に、ドリンク、シェーク類が随分充実している。

 アメリカでも、多分都会にはドライブインレストランは無いだろう。しかし中西部には健在である。アメリカが感じられるドライブインレストラン、機会があれば、ぜひ体験していただきたい。

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