2010年9月18日土曜日

カンザスシティーBBQレストラン、アーサー・ブライアント



 カンザスシティーがバーベキューで有名なのは、何度か言ってきたが、このレストランは、知名度が違う。「アメリカで最も有名なバーベキューレストラン」と言われるくらいで、セレバティーでも大御所な方が、たくさん訪れているのだ。カーター大統領や、スティーブン・スピルバーグなんて、歴史上の人と言ってもいい人達である。最近では、オバマ大統領の対戦候補者だったジョン・マッケインや、セラ・ペーランも来たらしい。つい先日「トラベルチャンネル」の「Food War」でも、カンザスシティーにあるもう一つの有名なレストラン「ゲーツ」と味見対戦し、アーサー・ブライアントが勝ったばかりだ。そんな超有名なカンザスシティーのバーベキューレストランに、会社の帰り、夫と一緒に行った。バーベキューレストランに行く日は、豪雨になるのが私たちの宿命なのか、この日も既にちらほらと雨が降り出していた。





 レストランの駐車場に着くと、バーベキューのいい香りが漂っている。「なんだか薄汚そうな所」等と言ってはいけない。これがいいのである。ちなみにこのレストラン、アメリスターというカジノホテルの中にも支店があるが、こっちの方は超小ぎれいで、情緒が無いのである。こう思うのは私一人ではないはずで、小汚い本店の方が、遥かに繁盛している。私たちがレストランに着いたのは、6時頃。ディナーの時間帯で、引っ切り無しに客がやって来る。私たちの前にも既に長い列ができていたので、注文まで時間がかかったが、その分オーダーを決める時間があったのは良かった。サンドイッチ一つはどの肉でも8ドル35セントだ。これに1ドル上乗せすると、二種類の肉が楽しめる。到底、全部食べきれないのは分かっていたが、食べ比べたかったので、「ビーフ」と「チキン」を頼むことにした。食べ残した分は、お持ち帰りにすれば良い。このセットにさらに1ドル60セント加えると、フライドポテトが付いてくる。ポテトを外すわけにはいかない。それに必ず頼むことにしている「ポークビーンズ」と、ダイエットコークの大を注文し、夫は同じコースで、「バーントエンド」と「リブ」を頼んだ。トレイに乗り切らないほどの食事を抱えて、キャッシャーに行くと、なんと「43ドル」と言われた。「フォーティースリー?」と、思わず聞き返す。確かに絶対食べきれない量だが、こんな小汚いレストランで二人分が43ドルになるわけが無い!しかし今回の会計係ではない夫は、「税金が入っているからね」と、そんなことは気にしていない様子。しかし、絶対あの時はぼったくられていたはずだ。私の計算でいくと、税抜きの値段は33ドル45セントだ。(さっきやってみた。)いっくら何でも税金だけで、9ドル55セントと言うのはあり得ないはずだ。28パーセント以上である!今、また怒りが再浮上するので、この話はここで終わりにする。

(後日編集:後で夫に聞いたら、「リブ」は、「別売り」だったようで、お勘定としては、これであってるそうです。それにしても、高いと私は思う。)




 とにかく、買った食事をテーブルに載せると、こんな感じだった。気を取り直してビーフを食べにかかる。
「?」
ドライだ。鰹節級のドライさである。そこで「世界的に有名な」特製ソースをかけてみる。
「......」
はっきり言って、まずかった。周りで楽しそうに食事をしている客の気を害するのは、本望ではないので、何も言わなかったが、ビネガーテイストのソースは、私の好みではない。しかし信じられないことに、このソース自体が有名なのである。トラベルチャンネルの「Food War」では、「ゲーツ」と対戦して、なんと4対1で、アーサー・ブライアントが圧勝だった。私達は、この番組をレストランに行ってからかなり後に、一緒に見たが、私と同じようにこのソースが好きではない上に、ゲーツファンである夫は、この結果が信じられないと言った。なんだか、アメリカ人のバーベキューに対する味覚と、私の味覚とには、大きな隔たりがあるようだ。

 夫が食べた「バーントエンド」とは、牛肉の「ブリスケット」の端を切り落としたもので、再度調理してある。今回注文した物の中で、これが一番おいしかった。私の鰹節のようなビーフよりはずっと良い。チキンもおいしかった。しかし、あのビーフは絶対、鰹節である。

 最近、レストランで当たりが少ない。本当にお気に入りのレストランが見つかるまで、受難の道が続きそうだ。レストランを出ると、豪雨である。もしかしたら、雨が降っていたのが、「あのレストランは、あなた向きじゃありませんよ」というサインだったのかもしれない。これから雨が降る日は、レストランに行くのを控えようか。

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