2010年7月3日土曜日
いよいよ、カンザスシティーに帰る!
ニューヨーク最後の夜、地下鉄でホテルまで戻った私には、大仕事が残っていた。私たちはまだ、空港までの行き方を知らなかったのだ!翌朝早い飛行機のチケットがありながら、「ニューアーク空港」が、どこにあるのかさえ知らなかった。インターネットを酷使し、手に入れた安い航空券は、「エア・トレイン」社のもので、こういう激安航空会社は、JFK空港のような大きな空港を使わないらしい。だから乗客は、小さな空港に行くことになる。ニューヨークではそれが、「ニューアーク空港」らしい。私はかなり不安だった。「マンハッタンから約16マイルで、ニュージャージー州に位置する」と書かれているが、一体どうしたら、私たちのホテルから、その空港に着くことができるのだろうか?
私が持っていたガイドブックのページをめくると、もしかしたら「ペンステーション」から、電車が出ているのではないかと気付いた。
「へ? ペンステーション?」
ペンステーションなら、ホテルのすぐ前である。本当に、ただ道の向こう側で、タクシーさえもいらない距離である。この便利さが、信じられなかった。あまりにも信じられなかったので、夫と二人で道を渡って、確認の下調べに出かけた。ホテルの出口を出て、すぐ前にあるペンステーションの地下への入り口に入る。そこは日本の地下街のような雰囲気で、売店等があった。電車のチケット売り場に行くと、ちゃんと「ニューアーク空港」とあるではないか!良かった!これなら、翌朝、迷うこと無く、確実に空港まで行けそうである。
翌朝、ニューヨーク最後の朝食のため、私はホテル前にある「ダンキンドーナッツ」のスタンドに行った。たぶんラテン系の女性が二人、その小さな店を切り盛りしていた。そこでドーナツとコーヒーを購入して、ホテルの部屋に戻った。夫は、ドーナツの朝食を喜んだ。そして、3日間滞在したホテルを跡にした。
電車に乗って、しばらくすると、日本人女性が同じ車両に乗り込んできた。彼女は周りの人に、「これは空港に行くんですよね」と聞いていた。その発音から日本人だと気付いた私は、彼女に話しかけた。その女性は、ロサンゼルスに長い間住んでいて、アメリカで生まれた子供達は、日本で仕事をしているという。「ニューヨークに比べたら、ロサンゼルスなんて田舎よ」と、彼女は言う。いやいや、あなたはアメリカの本当の田舎を知らないんでしょう、と私は思った。
電車は無事ニューアーク空港に到着した。やはり、小さな空港だった。しかし私は、搭乗口まで延々と歩き回らなければならない大空港より、かえって便利だと思った。JFK空港より、マンハッタンからも近いし、これからニューヨークに行く時は、ニューアーク空港を使うようにしようと思ったくらいだ。泊まったホテルの真ん前にある駅から電車が出ていたのは、とてもラッキーだった。ホテルの予約をした時、そんなことは、露ほどにも知らなかったのだ。今回の旅では、シカゴでもボストンでも、私達が目的地に行くのに困っている時、知らずと周りの人たちが助けてくれた。最後の空港に行く時、そんな人は現れ無かったが、そんな必要が無かったのだ。ずいぶん守られた旅行ができ、感謝している。
この後、ジョージア州アトランタで乗り換えをし、カンザスシティーまで戻った。カンザスシティー近くまで来ると、広々とした何も無い緑の土地が見えた。「ああ、やっと中西部に帰って来た」と思った。ホッとする瞬間である。空港では、夫の母が迎えに来てくれ、彼女の車に乗って、途中レストランに寄って、その後、家に向かった。
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