2010年2月21日日曜日

ニューオリンズ二日目、フレンチクォーターを散策





スワンプツアーからニューオリンズに戻り、ジャクソン広場前でバスを降りて、私達はまず、「カフェ・ドゥモンド」に行きました。ここで、有名な「ベニエ」というドーナツを食べました。ベニエは四角い揚げ物で、上にシュガーパウダーが、これでもかって程、かかってます。夫曰く、「フェンネルケーキみたい」で、私としては少々期待外れ。でも、カフェ・ドゥモンドでベニエを食べることは、ニューオリンズで絶対したかったことなので、経験できたことに感謝するべきでしょう。寒かったので、このベニエをこれまたカフェ・ドゥモンド名物の「チコリコーヒー」と一緒に食べました。

この後、ニューオリンズで一番行きたかった「カビルド」と呼ばれるルイジアナ州歴史博物館に走れど、閉館45分前!ショックです!そもそも、一番早いスワンプツアーがキャンセルされたことが、この日一日の予定を大きく狂わせ、NASA工場に立ち寄ったこともあり、ニューオリンズに戻ったのは、4時近く。こんなことなら、24時間営業のカフェ・ドゥモンドになど行かなければ良かった~!と思えど、後の祭り。でも、お昼ご飯も食べてなかったから、お腹が空いてたんです!でも、カビルド、行きたかったな~。ここは、「ルイジアナ買収」の調印式が行われた場所で、アメリカ第3代大統領ジェファーソンが、実際にサインした部屋があるそうです。その上、奴隷市場の様子や奴隷制度について学べるらしく、アメリカの歴史に興味がある私にとっては、外すことができないはずが、外してしまった!残念です。この後は少々、不機嫌になりました。たった2泊しかしなかったニューオリンズで、スワンプツアーに1日使ってしまい、後悔。あ~、もっとフレンチクォーターで時間を使いたかった!計画ミスです。

 と、こんなことでふてくされても時間の無駄なので、この後少々、ロイヤルストリートを歩きました。ロイヤルストリートは、アンティークのお店がたくさんあり、私としては楽しい所。しかし、「こんな小さな置物に150ドルも払う人がいるの!」と思うほど、私達庶民には少々お高いお店が多かったので、ここでは何も買いませんでした。この後、ホテルのマネージャーさんご推薦のレストランに行き、ガンボを食べました。本当は茹でた「ザリガニ」が食べたかったのですが、ここでもメニューにはない。本当についていない。


では、ここで、フレンチクォーターの町並みを写真でご紹介。







ここ、「フレンチクォーター」と呼ばれていますが、今残っている建物のほとんどは、「スペイン領時代」のものらしく、建築様式はスペイン風なんだそうです。鉄製の柵が美しいですよね。一番上の大きな写真は、ジャクソン広場のまん前にある「セントルイス大聖堂」です。私達が泊まったホテルのマネージャーによると、この日、このセントルイス大聖堂でコンサートがあるということだったので、時間になってドアを開けると、なんだかミサの最中だったらしく、司祭さんらしい人に、目で出てくように合図されました。おっかしいな~と思い、よくよく調べてみると、それは前日だったよう。あ~、またガサネタだ~!とにかく、この日のフレンチクォータ巡りは、あまりついていませんでした。既に暗くなってるし、寒いし。不機嫌度が高まる一方。この後、夫が「ストリートカーに乗りたい」と言い出し、雨が降り出した中、路面電車乗り場を捜しました。せめて、寒くなかったらね~、雨が降ってなかったらね~と思いましたが、これがニューオリンズ最後の夜。不機嫌なれど、小銭を握り締めて、ストリートカー、乗りましたよ。私の夫、はしゃいでおりました。このアメリカ中西部出身男、公共の乗り物に乗ったという経験がほとんどありません。ほとんど、遊園地に行ってる感覚です。まあ、夫がこんなにハッピーなんだから、ブーブー言うものでもあるまいと、大人な妻は、黙って窓の外の景色を鑑賞。丁度クリスマス前の時期で、ストリートカーが通っているガーデン・ディストリクトにある白い邸宅は、ほとんどがクリスマスライトで飾られていました。美し。あ~、やっぱり来てよかった~!

終点でストリートカーを降り、夫が今度は「バスに乗りたい!」というので、運転手が指し示すバス停でバスを待てど、なかなか来ない!
「ね~、こんないつ来るかわかんないバス待ってるんじゃなくて、さっき乗ったストリートカーで、もと来た所に戻ろ~よ~」
と訴えど、夫によって却下。悲しくストリートカーが去っていくのを見届けました。風が吹きすさぶ中、
「なんでこんな寒い中、いつ来るかわかんないバスを待ってなきゃいけないのよ!雨も降ってるのよ!」
と私の不機嫌は、癇癪に変わり、怒り爆発!夫に怒りをぶちまけど、
「かわいいね~」
と言う。(夫は、私が真剣に怒ってる時、プッと笑って大抵こういいます。私の弁舌が無駄になる瞬間です。)あ~も~、わからん!とにかく、ホテルに帰りたい!ふと見ると、近くの曲がり角に違う方向に行きそうなバスを発見!こうなりゃ、どこでもいいから、とにかくダウンタウン方向に連れて行ってくれるバスに乗ろうということで、そのバスに走って乗りました。運転手に確認すると、フレンチクォーターとビジネス地区とを分断する「カナルストリート」に行くらしい。GOOD ENOUGH!やっと暖かいバスの中に入り、気が落ち着いて、ガイドブックの地図と窓の外に見える通り名を確認しました。あ~、生きてホテルまで帰れそう!カナルストリートに着いたら、ホテルのマネージャーに教えてもらった「車」の運転手に電話して、迎えに来てもらおう!終着点でバスを降り、見上げれば横に大きなホテルがあったので、ここなら迎えに来てもらうのに良い目印になるだろうと思い、夫は早速運転手に電話をしました。この「車」の運転手とは、私達が泊まった「Super8」と何でも仲が良いらしく、お客が電話すれば一人7ドルか8ドル(記憶が確かじゃありません)で、ニューオリンズ市内ならどこでも迎えに来てくれるそうです。タクシーに乗るより安いし、安心できるので、客としては良いシステムです。この車が15分くらいで到着し、やっとホテルに向けて出発しました。ありがと~!人の良さそうな運転手で、天使のように見えました。

 ホテルに戻り、私達はニューオリンズ最後の夜をこのままで終わらしてはいけないと、「ミッドシティー」にある動物園のクリスマスライトを見に行こうと、車に乗りました。クリスマス時期なんだから、クリスマスらしいことがしたかったというのが動機なんですが、GPSの設置が間違っていたのか、着いた先がなんと墓地!明らかに行き先が間違っていましたが、ニューオリンズの墓地は、普通の墓地と違って、小さなセメントの小屋みたいな形をしていて、ツアーもたくさんあるのです。アメリカでは普通、棺おけに入った遺体を地中に埋めるのですが、ルイジアナ州の墓地がこんなに変わっているのは、何でも水害がひどい土地なので、地中に埋めると、棺おけがプカプカ浮かんでくるんだそうです。だからセメントで固めた小さな小屋みたいなのが、お墓なんだそうです。これが結構、芸術的なんですよね~。暗くて写真が撮れなかったのが残念。とにかく、ニューオリンズで見たかった物の一つが見れて、意外な所でプラス点でした。しかし、この公共墓地、危険なんだそうです。で、夫に
「みんな危ないって言うけど、何がそんなに危ないんだろうね。」
と聞くと、
「う~ん、そうだね。きっと麻薬取引者なんかが隠れていて、身包み全て剥ぎ取られて、その上、銃で撃たれて殺されてしまうんだろうね。」
と言いました。なるほど、それは危険です。

動物園は、大きな公園の中にあり、近くに美術館がありました。門の前に行って眺めてみましたが、なんだかクリスマスライトがあるような雰囲気ではありません。こんなものにお金を払って、僅かな時間、中に入るのもバカバカしいと思い、諦めてホテルに戻ることにしました。長かった一日。あんまりラッキーではなかった一日。しかし、冷たい雨が降る中バスを待っている間、昔聞いた言葉を思い出しました。
「人生、大変だったことの方が、良く覚えているものなのよ。気楽なことは後で、思い出に残らないわ。」
確かに。この言葉を思い出した時、プラスティック製の囲いがあるバス停の中に、地元のすし屋「ミキモト」の看板があり、夫が横にいて、道の向こう側にブロック作りの建物があったのを覚えています。もし、ここがこんなに寒くなくて、雨も降っていなくて、風も吹いていなかったら、この瞬間を覚えていることはなかったと思います。
「私はこの人と旅をしているのだ。一緒に人生を生きている途中なんだ。」
と思った瞬間でした。人生は不思議です。

0 件のコメント:

コメントを投稿