2012年9月21日金曜日

アーカンソー州バッファロー・ナショナル・リバーへの旅1/キャビン到着


 レイバーデーの翌週、九月十日から十五日まで、アーカンソー州にある「バッファロー国定川」と「ユリカスプリングス」を旅した。カンザスシティの自宅からバッファロー国定川までは、車で五時間ぐらい。我が家のドライブ旅行定番となりつつある「おにぎり」と「卵焼き」を持参で出発だ。途中、ガソリンスタンドで休憩を入れ、少々道に迷う。初日に泊まるキャビンは州立公園内にあり、二十四時間フロント係が働いているとは思えなかったので、到着時間が心配になり、夫が電話する事にした。電話に出た初老の女性は、「七時以降に到着の場合、鍵が入った封筒を、ドアの所に置いておきます」と言った。これで少々安心し、ドライブを続ける。

  地図を見ると、ハイウェイを降りて「イエルビル」という町を通り過ぎなければならない。交差点から「イエルビル」まではすぐだと思っていたら、これが結構な距離である。しかし、イエルビルは、とても可愛らしい町だと思った。人口千人くらいの町だろう。ダウンタウンに古い建物があった。私が考えていたコースは、このイエルビルを過ぎれば、すぐにキャビンに着くと思っていたのだが、これがそんな簡単には行かず、そこから曲りくねった田舎道を、ずんずん進まなければならない。かなり走っても、目印らしきものが出てこないので、道を間違えたのではないかと思ったが、私達が曲がらなければならない角は、その先にあった。これまでの人生の中で、こんな奥深い僻地まで来たのは初めてだった。

 「狩猟禁止」の看板近くに、鹿が数匹居る。「鹿がこの看板かけてそうだね」と、夫が笑った。州立公園内の曲りくねった細い道には、鹿が次々に出没する。パークレンジャー事務所を過ぎて、キャビンのオフィスを見つけた。オフィスと言っても、小さな田舎風の家で、そのドアには電話での話し通り、鍵が入った白い封筒があった。それを持って更に奥まで進み、道の行き止まりにやっと私達のキャビンを見つけた。

 今回アーカンソー州バッファロー国定川でカヌーをしようと思い立ったのは、たまたまその写真をインターネットで見たからだ。近くを流れるホワイト川は随分急流で、ラフティングに向いているらしいが、湖を挟みその上流のバッファロー川はもっと穏やかで、静かに漕ぐカヌーに適しているらしい。これなら私にもできそうだ。YouTubeのビデオを夫に見せると、夫はカヌーに興味を示す。こんな成り行きで今回の旅行が決定した。大自然を誇りにするアーカンソー州には、自然を楽しむ観光客向けキャビンが数多くある。しかし大人数で寝泊りでき最新の設備が整っているキャビンは、値段が高い。それは余りにも私達夫婦には、豪華過ぎた。できるだけ川に近い場所が良いのだが、お値段の事を考えると、と困っていた時、偶然、今回のキャビンのホームページを発見した。他の旅行者のレビューを読んでみると、どれも「素晴らしかった」「景色が最高に美しい」と絶賛している。それに値段が他のキャビンと比べれば破格値である。これしか無い!と思ったが、レビューには「人気の宿泊地なので、予約はいつも難しい」とあった。でも、まだ出発日までには日にちがある。駄目もとでトライしてみよう!と夫に電話させたら、あっさり簡単に予約が取れた。


 私達が予約したキャビンは、州立公園内の最も奥にある「リバービュー」で、他のキャビンよりも少々お値段が高い。しかしその差も十ドルぐらいで、キャビン裏のポーチからは、バッファロー・ナショナル・リバーが見えた。川の横には延々と木々が広がる山があり、その絶景を見下ろす山の頂上に位置するのだ。この風景が毎朝晩見られるのなら、十ドル追加で払っても、その価値は充分にあるというものだ。後にこの近辺をかなりドライブし、景観道も走ったが、このキャビン裏から見る風景が一番美しいと思った。


 このキャビンには広いリビングルーム兼ダイニングルームがあり、そこにはベッドとアメリカで「フトン」と呼ばれる折りたたみ式ソファがあった。「フトン」は日本語の「布団」が語源で、ベッドとしても利用できる。その他にベッドルームもあり、ここにもベッドが一つある。クローゼットを開けてみると、なんとこの中にも折り畳み式ベッドがあった。ということは、押し込めば少なくとも四人は泊まれるということだ。私達が泊まったキャビンは「デュープレックス」で、キャビン自体は二つに分かれている。なので、隣の部屋も同じような構造なのだろう。二日目以外は隣に宿泊客は居らず、私達は伸び伸びとキャビン滞在生活を楽しんだ。


 キッチンは最新式の電気コンロがあり、電子レンジ、オーブンも設置されている。食器や料理用道具は全て揃っており、材料さえ持参すれば、料理するのに問題は無い。キャビン近くにレストランがあるが季節営業なので、私達が訪れた時は、既に営業外期間だった。なので食料品持参は必須である。後にマネージャーに「この近くにスーパーはありますか?」と聞くと、「イエルビルまで行かないと無い」と言われた。イエルビルは、私達が通り過ぎた町だが、そこまで十三マイルだ。キャビン到着前に、食料品の買出しに行く方が賢明だ。

 車から荷物を運び、景色を楽しもうと裏ドアからポーチに出た時、ハプニングが起こる。なんと、私がドアを閉めてしまったのだ!私はただ単に「蚊が入らないように」と思ったのだが、そのドアは自動ロックで、閉めたら自動的に鍵がかけられるのだ。夫が、「なんで閉めたんだ!丁度、ポケットに入っていた鍵を、キッチンのカウンターの上に置いたばっかりなのに!」と叫ぶ。なんでって、「知らなかったから」である。「言わない方が悪い」のである。夫にしてみれば、「そんな基本的な事、知らない方がおかしい」ってなものだが、時既に遅しである。夫は玄関のドアが開いているか確かめに行ったが、そこも鍵がかかっていた。絶体絶命だ。仕方が無いので、私達は暗い公園内を、黙々と歩き出した。管理人オフィスに行けば、もしかしたら誰か居て、スペアキーを借りられるかもしれないという望みをかけてだ。しかし私はなんだか「どうにかなるわ」と、この状況にも関わらず、ヘラヘラ笑っていた。おかしな話だが、この間抜けな自分達が可笑しくて、ケラケラ笑っていたのである。管理人事務所まで、少なくとも一マイルはある。なのに「どうにかなるわ」とケラケラ笑っている妻に、夫は私が以前、夫と犬のボジョが裏庭に居るにもかかわらず、鍵を締めて仕事に出かけた時のことを話し出した。そうか、未だに恨みを持っているのかと、これまた大笑いした。そんなこんなをしているうちに、それまで電波が届かなかった夫の携帯に、「電波有り」のシグナルが出た。そこで夫が携帯からオフィスに電話すると、道中で電話をかけた時に出た女性が、電話に出たのだ!コレコレ然々と状況を説明すると、「すぐに鍵を持って行くので、そこで待っていてください」と言って、本当にすぐ車で到着してくれた。結局私達は、キャビンからそれ程遠くまで歩く事無く、スペアキーを手に入れたのだ。終わり良ければ全て良しで、人生楽観的に生きて行くべしと、自分の失態は棚に上げて、またケラケラ笑った。夫にしてみれば、大変迷惑な話である。


 翌日目が覚めると、既に朝日がカーテンの隙間から差し込んでいる。これは写真に撮らねばと、張り切ってカメラを取り出し、裏ポーチに出た。もちろん自動ロックを解除し、何度も外からドアが開けられるか確認した。外に出るとこの景色である!下に見下ろす木々の間に深い霧がかかっており、それは雲のように見えた。テネシー州にある「グレート・スモーキー・マウンテン国立公園」では、山の上に霧がかかるので、そういう名前が付けられたと聞いたが、正にそんな感じだ。


 翌日気付いたのだが、ここでは毎朝そんな濃い霧が発生する。翌日はもっと早く、日の出の時間に目覚めたので、霧は更に濃かった。それは余りにも美しく、赤い空に自分がポッカリ浮いているような気がした。


 清々しい朝で、もちろん外で朝食を取った。キャビン前にはピクニックテーブルがある。そこでオートミールを食べていると、鹿が横切っていくのが見える。家の前に森林があり、鹿が隣人。随分贅沢な朝だと思った。こうして、これまた公園内にあるパークレンジャーオフィスに向かった。

2012年9月7日金曜日

ステーキ・アンド・シェーク Steak 'n Shake



 最近、日が短くなってきた。外で仕事をしていると、その変化が良くわかる。裏庭フェンスの改修工事は、計画よりも大幅に遅れ、現在も続行中。かれこれ、二ヶ月以上も続いているのだが、あまり文句は言わないように心がけている。素人が苦労しながらやっているのだから、努力している事に感謝する方が懸命であると、結婚六年目に突入した昨今、悟るようになった。

 そこで暗くなり、外で仕事をするのが難しくなってきたことだしと、Home Depotに出張し、やっと念願のフェンスの板を購入した。ああ、待ちに待った実際の板!!早く早く、この板達が、隣の家との境界線となる事を、ああ、切実に願う。

 そんなHome Depotの帰り道、せっかくリバティーのモールまでやって来たのだから、どっかに寄って行こうと、私達が選んだのが、「ステーキ・アンド・シェーク」。私はアイスクリームでも食べたら良かろうと思っていたのだが、店内に入った瞬間、ここが「レストラン」である事を忘れていた自分に気付いた。メニューがとてもファーストフード的な為、セルフサービスを頭に描いていたのだが、店に入った時、「どうぞ、お席にお着きください」と、にこやかな若いウェイトレスに言われたのだ。まあ、仕方が無い。最初にドリンクを頼んだ私達は、二人で「ワカモリバーガー」を分ける事にした。78セント追加すると、ポテトを大にできるという事だったので、ポテトの大も注文することにした。

 「ステーキ・アンド・シェーク」は、上質のハンバーガーとミルクシェーキが売りで、1934年、イリノイ州で生まれた。席に着いた夫の背後に、その当時の店舗なのか、忙しそうなダイナーの様子を写した白黒写真があった。広い店内に白い制服を着たウェイトレス達が給仕している様が、大きなガラス越しに見える。駐車場の車からオーダーした客に、ハンバーガーを運んでいるウェイトレスも居る。そうか、この店は、元々ダイナーだったのだと理解した。道理でここのバーガーは、よそのファーストフードレストランのよりも、質にこだわりがあるわけだ。前回ご紹介した「タウン・トピック」のハンバーガーに似ていると思った。今年になって開店したニューヨーク1号店は、全くのセルフサービスで、ウェイトレスは居ないようだが、中西部の店舗は、昔ながらのダイナーの雰囲気を残している。

 そんな店内にある白黒写真を背景に座っている夫を見つめ、「こりゃ、絵になるわい」と思った私は、夫の携帯で写真を取ることにした。赤と黒が基調のインテリア、全てが新しいのだが、なんだか「バック・トゥー・ザ・フューチャー」に出てくるカフェのような気がしないでも無い。ふと店内を見ると、窓際に若いカップルが仲良く座っている。なんだかこれも、60年代の映画に出てきそうな雰囲気である。

 「ステーキ・アンド・シェーク」は、名前にある通り、「ミルクシェーキ」も目玉商品なのだが、私はどうも、この「ミルクシェーキ」があまり好きでは無い。これぞアメリカの象徴ではあるのだが。「アイスクリームを食べる」のは好きだが、「溶けたアイスクリームを飲む」のは、どうもいただけない。しかし、アメリカンを経験したい方は、ぜひお試しを。

2012年9月4日火曜日

共和党全国大会


 ハリケーン・アイザックの影響で一日遅れになりながらも、三日間に亘ってフロリダ州タンパで行なわれた共和党全国大会。もちろん私は現地には行っていないのだが、テレビでしっかり三日間とも見た。正直言って、この共和党全国大会を見て安心した。世間では、共和党の莫大な資金力に任せて、オバマ大統領に対する批判キャンペーンが渦巻いているが、共和党がこんな党大会しかできないのなら、オバマ大統領に到底太刀打ちできない事が、私にははっきりしたからだ。



 党大会初日にスピーチしたのがこのお方、ミット・ロムニーの妻、アン・ロムニー。「テレビの写真を撮れば、ブログに載せられる」という名案が湧いたのが最終日になってからだったので、彼女がスピーチしている番組は録画を消去してしまったのだが、この写真は最終日に彼女の夫ミット・ロムニーがスピーチをしているのを聞いている場面だ。アン・ロムニーは、夫との間に五人の子供を産んでいる。全員が男子で、息子五人が勢揃いしてテレビに映っていたのを見た時は、驚いた。アン・ロムニーのスピーチは、本当を言うと、途中で我が家の愛犬ボジョの散歩に行かなくてはならなかったので、最後まで見なかったのだが、最初の10分くらいは見た。私の側から言わせてもらうと、彼女のスピーチよりも犬の散歩を選んだのは、そのスピーチがあまりにも内容の無いものだったからだ。女性票の獲得を狙ったのは良くわかる。それを妻の彼女に託したのは、良くわかる。しかし彼女のスピーチは、「ああ、女性の同士たちよ、母達よ。最も素晴らしいのは、あなた達です」といった内容で、それがどうして夫のミット・ロムニーに結びつくのか、私には解らなかったのだ。彼女自身が大統領に立候補しているのならわかるが、ミット・ロムニーの応援演説で、女性について語る。私には、その関連性が全く見えなかった。




 二日目の目玉は、副大統領候補者のポール・ライアン。この写真も三日目のもので、彼自身がスピーチしている番組は消去してしまったのだが、これは、特別スピーカーのクリント・イーストウッドの怪奇なスピーチを聞いているところだ。隣に居るのは、ポール・ライアンの妻。ポール・ライアンは現在、「嘘つきライアン」とあだ名されている。それ程彼のスピーチはでたらめでいっぱいだったのだ。よくもまあ、こんな阿呆な嘘を、それも簡単に嘘だと見抜ける嘘を、それも彼の人生最重要の場面で言えるとは、彼のスピーチライターがよっぽど間抜けで、それを彼自身と委員会が見抜けなかったのは、ポール・ライアンにとっても、共和党にとっても、あまりにも不運だったとしか言いようが無い。「嘘つきライアン」の筆頭理由は、彼が自動車製造会社GMのウィスコンシン州工場閉鎖が、さもオバマ大統領のせいであると言い、それ以上に確実な歴史に刻まれた嘘は、この工場閉鎖が、オバマ大統領の就任期間に起こったと言ったことだ。実際は、オバマ大統領が就任する以前、ジョージ・ブッシュの期間に、その工場は閉鎖された。そんなことは記録にあることで、簡単に嘘だと見破れるのに、なぜにライアンはスピーチしたのか。それも副大統領候補指名受諾演説で。スピーチライター任せにした彼が、事実を知らなかったのか。彼のスピーチは、あまりにも虚弱に私の目に映った。「Puppy」「小犬」という文字が、私の頭から離れない。彼のスピーチから、何一つ新しい政策は見られなかった。「自分が副大統領になったら、この不景気を改善します」、それは素晴らしい。じゃあ一体、その不景気改善に対し、実際何をするというのか。彼の計画案は、全くこのスピーチには無かった。



 そして、この背景と共に現れたゲストスピーカーは、なんとかの有名なハリウッド俳優・監督のクリント・イーストウッド。会場に居た共和党支持者達は、大喜びだった。しかし、しかしだ。世の中で、これほど奇妙な応援演説は、見たことが無い。と言うのは、


隣に置かれた誰も座っていない椅子に向かって、オバマ大統領がそこに座っているかのように、話し始めたのだ。もちろんスピーチライターがいて、全てシナリオ通りに語っており、その語り口調は、さすが超一流俳優だけあり立派なものであったが、これはあまりにも馬鹿馬鹿しい舞台である。その内容も、ポール・ライアンのものと大して変わらず、何も斬新なものは無い。この茶番劇自体が斬新だと、共和党委員会は思ったのか。これはあまりにも悲劇である。このスピーチの直後、「Invisible Obama」「目に見えないオバマ」と題したTwitterが始まり、そこにはこのイーストウッドのように、誰も座っていない椅子を指差す写真が投稿され続けている。投稿者の数はうなぎ上りで、なんとオバマ大統領自身も参加しているのだ。その写真は、ホワイトハウスの椅子に座っているオバマ大統領の背中で、そのコメントというのが、“This seat's taken”「座っています」というものだった。このユーモアは、オバマ大統領らしい。現在、空席を指差す事は、“Eastwooding"と呼ばれている。私のFacebookに投稿された写真の中に、上の写真のようなものがあり、そこには、「だから、老人医療保険をカットしてはいけないのだ」と書かれていた。82歳のイーストウッドを、まるっきり馬鹿にしたもので、このような対象になってしまったイーストウッドは、取り返しのつかない過ちを犯してしまったというものだ。


 話題騒然のイーストウッドに対し、共和党大統領候補者の当本人ミット・ロムニーは、ずいぶん陰が薄かった。翌日のニュースでは殆ど彼について語られず、コメンテーター達が一様に「奇妙なスピーチに開いた口がふさがらない」といったコメントを残したイーストウッドの茶番劇のみがスポットライトを集めたのだ。内容も、これまた何も新しいものは無い。全てシナリオ通りのつまらないもので、「出費をカットする」という一辺倒。「出費をカットする」とは、どういうことなのか。つまり、本当に政府の援助を必要としている人たちへの対策を、全て打ち辞めてしまうということなのだ。基本的に、共和党のモットーは、「貧乏人が貧乏人でいるのは、彼らの責任で、お金持ちの自分に税金を払わせるなんて、とんでもない、辞めてくれ!」といったものである。こんな人が大統領になってしまったら、大変なことである。その証拠に、大統領候補指名を受諾した直後の「レイバーデー」に、彼はバケーションに行ったということだ。全く考えられないことだ。

 今回の共和党全国大会が、共和党にとって大きな痛手になったことは、明らかだ。ミット・ロムニーとポール・ライアンの人物性の低さ、政治家としての中身の無さが浮き彫りになったというものだ。アメリカ国民が、真実を見抜いて欲しいものである。

2012年9月1日土曜日

デニーズ



 最近、私の中で好感度急上昇中なのが、なんとデニーズ。アメリカのデニーズを日本のファミレス・デニーズと混同してはいけない。日本のデニーズは、元々アメリカのデニーズと契約していたが、今は社名とロゴだけを使っているだけで、全く別会社らしい。ちょいと昔まで、デニーズと言えば、パンケーキとか、ハンバーガーとか、フレンチフライとか、典型的なダイナーメニューが中心だったが、最近は新メニューに力を入れているように見受けられる。(もしかしたら、私がそれまで気付かなかっただけかもしれないが。)

 日曜日の朝、夫と一緒にデニーズに行った。その店舗は高速からすぐ出た、カンザスシティのダウンタウンにある。地所の良さの為か、レストランは満席だった。旅行客と地元人がごった返した感じだ。なので地元に居ながら、旅行しているような気分もする。席に着いて、メニューを開けると、「ツアー・オブ・アメリカ」という大きな写真が華々しい、期間限定メニューがあった。レストラン内にも「ルート66」を思い起こさせるようなドライブ旅行をイメージしたイラストや、星条旗のポスターが貼ってある。要するにアメリカ各地の名物からヒントを得た新メニューという事だ。これはかなり、アメリカ人の心をくすぐる名案である。例えば、フィラデルフィアの「チーズステーキ」だとか。しかし私が今回注文したのは「マリブ・フィッシュ・タコス」だ。小さめの小麦粉トルティヤの中にあるのは、衣が少々甘いフィッシュフライと、アボカド、トマト、紫玉ねぎ等。それにタコスソースがかけてある。これはずいぶんマイルドな味だ。一口一口、ずいぶん幸せにしてくれる時間だった。


 その一方で、夫が選んだのが、このパンケーキセット。ずいぶん典型的なダイナーメニューである。この辺が生まれた国の違いが出るところである。アメリカ人の夫は、これをずいぶんご満悦な顔で食べていた。これは、日本人が朝食に味噌汁を食べるのと、同じような習慣だと思う。アメリカではずいぶん「肯定的」に受け入れられている朝食メニューである。

 なんだか、日曜日の朝食をデニーズで取るのが習慣になりそうな気がする。

2012年8月26日日曜日

6年目結婚記念日 オリーブガーデン


 五年目だった去年は、ずいぶん張り切ってワイナリーに行き、「よっし、これからは毎年、結婚記念日にワイナリーに行こう!」と思っていたのだが、裏庭のフェンス修復がなかなか終わらず、お流れになってしまった。それで、かなり遅れてから、「とりあえず、レストランには行こう」ということで、行ってきたオリーブガーデン。このレストランを「ファミレス」と呼んでいるブログを見たことがあるが、それはあまりにもオリーブガーデンに対し、失礼という話である。全国チェーンレストランであれば、全て「ファミレス」と呼ぶのは、間違っている。私の中でオリーブガーデンは、もう少し高級な所に位置している。第一、ファミレスに酒類は置いていない。しかし、オリーブガーデンには、ワインもあるし、シャンペンもある。席が空くまでちょっと時間潰しをするバーもある。だから、オリーブガーデンをファミレスと呼んでいる人達は、もう少しこのレストランに、敬意を払うべきである。

 私達が行った日は、「ディナー二人分で三十ドル!」というキャンペーンをしていて、これはお得だと思い、私が会社から、仕事が休みだった夫に電話した。いつもより会社を早く出て、六時過ぎくらいにはレストランに着いたのだが、既に先客がいっぱいで、少々待つことになった。そこでページャーを貰い、カウンター席があるバーに行く。私はそこで、「ストロベリー・フレスコ」を頼んだと思うのだが、良く覚えていない。夫のは、写真とオリーブガーデンのメニューを見比べても、良くわからない。


  上の写真、「無表情で、没」と夫は言っていたのだが、せっかくの結婚記念日なので(と言っても、かなり遅れてだが)、一枚くらい一緒の写真があった方が良いと思い、載せてみた。ここでペイジャーが鳴るまで、それぞれのアルコホールを飲み、目の前にあったテレビでオリンピックを鑑賞。一番上の写真が、私達の目の前にあった、ちょいとおしゃれな空間である。



 しばらくしてペイジャーが鳴り、奥のテーブル席に移動。やって来たウェイトレスに、「二人で三十ドル」コースを頼みたいと言うと、「それは、大変人気のあるコースです。この中からアピタイザーを選んでください」と言う。それで注文したのが、上の写真。確か、ラビオリとズッキーニのフライだったと思う。これにマリナラソースをつけて食べる。




 オリーブガーデンでは、ディナーメニューを注文すると、その前にサラダとパンが出てくる。


 こちらは夫が注文したラビオリ(だと思う。)



でもって、私が食べたナスのフライとスパゲッティー。「二人で三十ドル」コースは、メニューが限定していて、あまり選択の幅が無かった。



 最後にウェイトレスさんに写真を撮ってもらい、「結婚記念日でレストラン」は、終了である。

2012年8月19日日曜日

ボジョと私




 さて、ここで問題。「犬は計算できるか?」答えは、「イエス!!!」である。天才的頭脳を持つ我が家の愛犬ボジョは、「ボジョの崖」と私が命名した場所に立っていた。ボブキャットで深く掘られた「ボジョのグランドキャニオン」最後部にあたる地面だが、夫が苦労して積み上げたセメントブロックの壁が、丁度「ボジョの崖」と同じくらいの高さになっている。ここで私は、「計算している犬」を見たのだ!!

「ほんの少し足を伸ばしたら、あの「万里の長城」(夫が作ったセメントブロック壁の事)のトップに届くかもしれない。そしたら隣に忍び込んで、猫を追い回せるぞ!」

あの時のボジョの真剣な目。「抜け道、見つけたり!」と、興奮に沸き立つ顔。あれは確実に、距離、高さ、彼自身の跳躍力と年齢を計算していた。自分の足下を見つめ、地面と壁との距離を測定する。

「現在14歳、もう若人ではない。最近、左腰にリウマチを患っている。失敗して落ちた場合、あの壁はかなり高い。落ちたら随分、痛そうだ。しかし、しかし。隣の猫は許せない。どうしても退治せねばならぬ。人間はこの辺を理解しないから、どうも困る。よし、命を懸けて、いざ決行だ!」

ああ、母の私には、本当にボジョの声が聞こえてきた。この悪ガキ犬め!そのような無鉄砲な行為を、母が許すと思うなかれ!私はあわてて、「万里の長城」にさらにブロックを積み、「ボジョの崖」には万里の長城へのアクセスを塞ぐため、ガーデンチェアーを置いた。それでもまだ心配で、ボジョの背の高さと壁の高さを、何度も見比べた。「人間は犬よりも賢いか?」人に(そして犬に)よりけりである。

裏庭フェンスの大工事!始まり編


 家の修復は、永遠に終わらないものらしく、あちらこちらにプロジェクトが現れる。今回は、裏庭のフェンス。以前から「いつかやり直さなきゃ」と言っていたものだが、嵐の後、隣の土地が低くなっている方が崩壊し、これ以上待てない緊急事態となった。こういう時、日本では専門家にまず電話するのが、大抵の人が取る手段かと思うが、ここはDIY大国アメリカ、自分でやるのである。



 塀が無ければ、犬のボジョを庭に放す事が出来ない。これは大変に大変な事である。その為なら炎天下での肉体労働もなんのその、夫を助けて見せましょうと、以前姉に貰ったピンクのカウガールハットを被り、張り切って出陣。今回、このカウガールハットが威力を発揮し、炎天下(華氏100度以上!!)でも、それ程暑いと思わなかった。カウボーイハットは、前後にツバがある。これで顔はもちろん、首の後ろも陰ができ、ずいぶん楽なのだ。カウボーイ達がカウボーイハットを被る理由が理解できた。ずいぶん機能的である。しかしこの様相の上にサングラスをかけていたら、ボジョに吼えられた。




 一番上の写真が「撤去前」で、この写真が「撤去後」だ。最初は夫が釘抜きでぐいぐい釘を抜いて、解体していたのだが、それはあまりにも過酷な肉代労働だったので、「電動のこぎりで繋ぎの板を切っちゃえば?」と私が助言したら、最初は「ヘン」ってなものだったが、その方が効率良いことに気付いた夫は、パワーツールに頼る事にした。夫がガンガン繋ぎの板を切る。3枚ほど繋がった古い板を、私が外のトラックまで運ぶ。重い物を運ぶと、汗が滴り落ちた。板を拾うのにうつむくと、鼻を伝って汗がポタポタ落ちる。こんなに汗をかいたのは、久しぶりだ。チームワークが効し、古い板は全てトラックに詰め込まれた。




数日後、仕事から自宅に帰ると、家の前にコンクリートを混ぜる機械が、夫のトラックの後ろに繋がっており、それはグルングルン回っていた。ハハン、頑張っているなと思い、片手にカメラを抱え、片手にボジョを連れて裏庭に出陣!パシャパシャ写真を撮っていると、「ここは工事現場なんだ。出てけ~!」と、夫に追い出された。なんだか大人ぶって、頑張ってるふりをしているなと思っていたら、コンクリートミキサーの返却時間が迫っていて、焦っていたらしい。壁が崩壊した方には、溝が掘られ、コンクリートの土台を作っていた。




 さて、上の写真にあるマシーンは、アメリカでは「ボブキャット」と呼ばれている。Bobcat Companyという会社の商品なのだが、基本的にこういった機械は全て「ボブキャット」と呼ばれているのだと思う。(専門家でないので、詳しいことはわからないのだが。)運転しているのは、夫の友人で、今回のプロジェクトの為に雇った。彼はこういった、個人宅での修復等を職業にしている。以前「アメリカ人夫の一言」で水道管修理の一件をご紹介したが、その時登場したのが、この人物である。(その時の様子はこちら:http://amerikajinottonohitokoto.blogspot.com/2010/08/i-will-be-back.html




 その一方で、反対側は、こんな風に涼しげ。こちらも一部が剥がれて、修復が必要だったのだが、夫が全てやり直した。こういう事になると、急に律儀になる性格で、私は全然気にしていなかったのだが、板が収縮して隙間ができており、隣の庭が見える状態が、我慢できなかったらしい。確かに全ての板を打ち直した後は、壁がびっしりし、隣が見えなくなった。



 この日の最終段階は、こんな所。この上にセメント製のブロックを積み、補強壁を作る。その上に木製フェンスを建てる予定。乞うご期待!