2012年8月19日日曜日

ボジョと私




 さて、ここで問題。「犬は計算できるか?」答えは、「イエス!!!」である。天才的頭脳を持つ我が家の愛犬ボジョは、「ボジョの崖」と私が命名した場所に立っていた。ボブキャットで深く掘られた「ボジョのグランドキャニオン」最後部にあたる地面だが、夫が苦労して積み上げたセメントブロックの壁が、丁度「ボジョの崖」と同じくらいの高さになっている。ここで私は、「計算している犬」を見たのだ!!

「ほんの少し足を伸ばしたら、あの「万里の長城」(夫が作ったセメントブロック壁の事)のトップに届くかもしれない。そしたら隣に忍び込んで、猫を追い回せるぞ!」

あの時のボジョの真剣な目。「抜け道、見つけたり!」と、興奮に沸き立つ顔。あれは確実に、距離、高さ、彼自身の跳躍力と年齢を計算していた。自分の足下を見つめ、地面と壁との距離を測定する。

「現在14歳、もう若人ではない。最近、左腰にリウマチを患っている。失敗して落ちた場合、あの壁はかなり高い。落ちたら随分、痛そうだ。しかし、しかし。隣の猫は許せない。どうしても退治せねばならぬ。人間はこの辺を理解しないから、どうも困る。よし、命を懸けて、いざ決行だ!」

ああ、母の私には、本当にボジョの声が聞こえてきた。この悪ガキ犬め!そのような無鉄砲な行為を、母が許すと思うなかれ!私はあわてて、「万里の長城」にさらにブロックを積み、「ボジョの崖」には万里の長城へのアクセスを塞ぐため、ガーデンチェアーを置いた。それでもまだ心配で、ボジョの背の高さと壁の高さを、何度も見比べた。「人間は犬よりも賢いか?」人に(そして犬に)よりけりである。

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